「ゲームを全クリした主人公がまた戻ってきたみたいですよ」#3
朝日が差す中、自分は目を覚ました。
ああ、ようやく戻ってこれたんだな。
そんな自分の願いは、その景色で消え去った。
目を覚ました所は、知らない景色。
いや、正確には、知らないはずだが、何故か知っていた。
ここは…
「最初の、家?」
ああ、そうだ。
自分で言って、ようやく気がついた。
ここは、ゲームが始まった、最初の場所。
村だったかな、えーと名前は…
「最初の村だったから忘れちまったな…確か、リーンウッドだっけか。」
ゲームの始まりの地あり、最初の村。
それがリーンウッドだ。
「懐かしいな…自分はあれだったからな、ラストダンジョン前でレベル上げしてたからな。」
自分がやっていたゲームは、中級者向けのゲームだった。
初級者向けは、謎が簡単で、ゲームを楽しむ為の難易度。
中級者向けは、謎が難しく、敵も少し強い、やり込み系のゲーム。
上級者になると、クリア不可能だったり、クリアするのに莫大な時間が掛かるゲームだ。
自分はあえて中級者向けのゲームを遊んでいた。
だから、もし、この先の謎がわからなかったら…
「自分って難しい所調べていたからな…大丈夫か」
始まる前から少々怪しい雰囲気が漂っていたが、自分はよいしょ、と体を動かした。