ワザップ!フォーラム
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振り返ったそこに立っていたのは
黒髪に黒のフレームのメガネをかけて、グレーのスーツをまとった高身長の男性。
眉間(みけん)にシワを寄せ、その下の瞳が私をにらみつけた。
まるで心中まで見透すような、強い眼力を感じてくる。
「あ、あの、なんでしょうか?」
「さっきから駅の中を“これでもか”というほど動き回って、一体なにをしている?」
「え、え…?」
「気付かれて無いとでも思ったか、私の目は欺けないぞ」
なんだこの人は……人であふれる駅の中から、私に気づいて見ていたと言うのか。
その洞察力の高さ、ただ者では無さそうだ。
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「もしやあなたは…探偵なのですか?」
「探偵ではない。それより質問に答えてもらおうか、駅を走り回ってる訳を」
同業者では無いとしたら1つの可能性が浮上してくる。
もしその通りなら、今の私にとってはとてもありがたい味方になりえる。
ここは少し、カマをかけてみよう。
「それは……教えられません。“一般人”のあなたには」
「引っかかる言い方をしてくれる、まるで君は“一般人じゃない”と言いたげだな」
「そうですね、比較的に特殊な職業をやらせてもらってます」
「ほう、それで君は、私が一般人じゃ無ければ教えてくれるのか?」
「職種によっては答えるかもしれません」
相手はうつむき考えている。頼む、私の求める職業であってくれ。
「仕方ない、これでいいか?」
グレーのスーツから取り出した黒い手帳。ビンゴだ、この人は警察官。
だが、まだ信じてはダメだ、過去の経験もある。偽の警察官に騙されてきた経験が。
「その手帳が、本物という証明はできますか?」
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「私を疑うのか。いい度胸だ、手帳を見るなり署に確認を取るなり、好きにしろ」
渡された手帳を開いてみる。
【ワザップ警察 警視 知月 正護】
“警視” 警察の中でも上位の階級、オールドコインさんよりも偉い。
まだ若そうなのに、かなりのエリートと言える。
駅の中から、私に気付いた目の付けどころからして本物と見ていい。
これが占いの言っていた“出会い”だとしたらやったぞ、すごい人と出会えた。
「分かりました、あなたを信じます。疑ってすいませんでした」
謝罪とともに頭を下げ、手帳を返した。
「署に確認はいいのか? とことん調べてくれてた方が、私の怒りも収まる」
「確認はしません、なによりも時間がありません。都合良すぎですが聞いてもらえますか?」
出会い方は悪かったけど、もう自分はすがるしかない。
この人なら状況を打破してくれる気がする。
「その真剣な目つきは嫌いじゃない、時間がないなら早くしろ」
私は話した。自分が探偵である事、怪盗バリアス・ボムの事、駅に爆弾が3つ仕掛けられてる事を。
そして、爆弾をまだ1つも見つけてない事、タイムリミットは30分を切った事を。
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「なんてバカな勝負を受けたんだ君は」
「すいません…」
「もしもの時、一生かかっても取れない責任を背負う覚悟はあったのか? どうなんだ?」
「すいません。私が言うのもおかしいですが、説教なら後にしてください」
「何様だ君は。……そう言いたいが、後回しにするのはもっともだ」
「終わった後にいつまでも聞きます。今はこの覚悟で許してください」
「いいだろう、私が関わったからには必ず止めてみせる」
今後の方針がその場で直ちに決められる。
私は引き続き爆弾の捜索、知月警視は先に警察に応援要請をする。
その意味は、怪盗バリアス・ボムを逮捕するための布石。
この駅の周辺に、ヤツがひそんでいる可能性は高い。
ヤツは今も、安全な位置から駅が爆破されるのを、今か今かと待ち望んでるはずだ。
20時までに爆弾を全て解除したのち、駅周辺にひそむバリアス・ボムを逮捕する。
「では、君は爆弾を捜索に戻れ、私は警察に応援要請をしてくる」
「分かりました。応援はどのくらいで?」
「早急で15分、爆弾探しは手伝えないと思え。さあ行け!」
「はいっ!」
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【19:45】
20時まで残り15分、爆弾の発見はまだ0個。
そんな絶望的な状況が、私を追い詰めて自分を見失いそうになっていた。
しかし、知月警視と出会いが、私に欠けていた気力を取り戻してくれた。
やれる気がする。爆弾の停止も、バリアス・ボムの逮捕も。
私はもう、1人じゃない。
私はワザップステーションの北口から駅に入り、爆弾を捜索していた。
もうすぐ南口に着く、近づくに連れて何かが聞こえてくる。
弦を弾いて鳴らすこの音色は間違いない、ギターを奏でる音色だ。
それと同時に聞こえてくる歌声、そこにはストリートミュージシャンが居た。
「地球のぉ〜上にぃ〜夜〜が〜くるぅ〜 僕は今ぁ〜家路を〜急ぐぅ〜」
「泣いてる〜君こそぉぉ〜 孤〜独な〜君こそ正しいよ〜 人間〜らしいよぉ〜」
パチッ パチパチッ パチッパチッ
歌い終わって贈られる拍手は、2〜3人のわずかなもの。
シンガーは満足気な表情を浮かべている、それを見た私な悲壮な光景だと思った。
歌を聴くため停止していた人たちが、終わりと同時に動き始める。
とりあえず、この人たちにも話を聞いてみよう。
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「あの、ちょっといいですか?」
「サインはやってないよ、せっかくなのに悪いねー」
「いえ、そうではなくて、ここでいつ頃から歌ってましたか?」
「そうだなー、18時過ぎに着いて、そっからかな」
「何かを置いていく人とか見かけなかったですか?」
「分からんなー、あったとしても歌ってたから気づかないと思う」
「そうですか・・・」
そうしていると、もう1人のシンガーが私に話しかけてきた。
「アンタ、なにか探してるの?」
「はい、何を探してるかはうまく言えないんですが・・・」
「探し物なら、“駅の落とし物センター”に届いてないか見に行ったらどう?」
駅に遺失物として爆弾が届けられる・・・。
いや、偽装された物なら十分ありえる。行ってみる価値はある。
「そこへ行ってみようと思います。助言ありがとうございました」
「いいってこれくらい、見つかる事を祈ってるよ」
「はい。お二人も歌の活動、励んでくださいね。では」
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北口を目指し、来た道を戻って行く。
足に疲労が溜まって重い、足の裏はもう真っ赤になってるだろう。
落とし物センター・・・落とし物センター・・・あそこか!
受付の人に話しかけて、中に入れてもらおう。
「すいません、自分の落とし物が届いてないか確認を」
「おい、なにをしている。アレは見つかったのか?」
応援要請を終えて、知月警視が戻ってきた。
別れた後の事を話し、落とし物センターに来た理由を伝えた。
「ならば私の出番だ」
「警察の者です、ここに不審物が混ざってないか検査させて頂きたい」
知月警視が受付に警察手帳を見せ、中へと通してもらえた。
落とし物を保管した個室に入る。
壁に並ぶロッカー、傘立てに置かれた大量の傘。
中央には大きなテーブルが設置され
携帯電話、アクセサリー、財布、さまざまな落とし物が綺麗に並べられている。
ロッカーを開けるとハンガーにかけられたカラフルな衣服、今すぐ店が始められそうだ。
そんなのんきな事より爆弾だ、急いで探さないと。
しかし、これだけの量、1つ1つ見ている時間なんて無いぞ・・・
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「どいてみろ」
その言葉と同時に、横から肩を押されて、私はロッカーの前から弾かれた。
横から見たロッカーの中を調べる知月警視の顔は怖い。
するどい目つきで、ロッカーの服をにらみつけている。
すぐに隣のロッカー、また隣のロッカー。あっという間にロッカーを全て見終えた。
「ロッカーには無い。となるとテーブルか」
「なんでそんな一瞬で分か」「あったぞ、コレだ!」
黒のハンドバッグをつかみ、開けた中には、本当にあったのだった・・・。
「カウントダウンするデジタル時計にC-4の文字・・・爆弾!」
「コレを解体すると言っても、準備が必要だぞ」
「いえ、解体はしなくていいんです」
「どういうことだ?」
「バリアス・ボムが、スイッチを押すだけで解除される爆弾だと言ってました」
「スイッチ・・・確かにボタンがひとつあるが、安易に押していいものか」
「と言うと?」
「起動ボタンだったらどうする、押したら即爆発する」
「そ、それは確かに・・・。でもヤツは解除されると言ってましたし」
「相手は怪盗だぞ、騙してる可能性も十分ある」
「ですがもう時間が!」
「分かっている! 爆弾だって後2つも見つけてない・・・」
「ここは信じましょう。ヤツが最低限のルールは守っていると」
「・・・よし、押すぞ」
パチッ
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ボタンのプッシュとともに、私は肩に力を入れ、顔をそらして目を閉じた。
押すように説得しておいて、やはり自分は内心怖いと思っている。
体が自動的に反応して改めて分かった。爆発の恐怖におびえていると。
シーン シーン シーン
5・・・6・・・7・・・8・・・
頭の中でカウントした数字が10になった頃、私はそっと目を開けた。
カウントダウンしていたデジタル時計の画面が消えて、真っ黒になっている。
爆弾は爆発・・・しなかった。
「いつまで固まってるつもりだ」
「あ、はいっ」
「この爆弾は止まった。後2つ急いで探すぞ」
「そうですね、この落とし物の」
「ここにはもう怪しい物は無い、私が保証する。他へ行くぞ」
「どうしてそう言い切れるんですか?」
「その説明は終わってからだ。もう20時まで10分を切っている!」
「わ、分かりました行きましょう!」
停止した爆弾を知月警視が抱えたまま、私たちは落とし物センターから飛び出した。
「おーい! こっちだこっち!」
誰かを呼ぶ声、周りを見回して呼び主を探す。
手を振る人物がいた。私たちに向かって振っている。あれは・・・
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【19:57】
「ミルラスさん!」
呼び主は、ショーウィンドウの飾り付けをするアルバイト中に出会ったハバード・ミルラス。
そう、知月警視に会う前、私は彼に出会って頼み事をしていた。
「あれから頼まれてた通り、飾り付けた物を全部外して、1つ1つ見てたんだ」
「そしたら“ヤバそうな物”があって、居ても立っても居られなくなってな。コレだよ」
見せつけられた物に私は息をのんだが、それと同時に気分が浮き立った。
その物とは、落とし物センターで見つけたのと、全く同型の爆弾。
ようやく1つ目の爆弾を見つけてから、立て続けに2つ目の爆弾を発見できた。
それをハバード・ミルラスから受け取る。同じ部分に1つのボタンがある。
ボタンを押して爆弾しないのは1つ目で証明されてる。
見た目も同じ。大丈夫だ、押せる、押せ、押す、そして爆弾を止める。
パチッ
今度は目をそらさない、デジタル時計の画面が真っ黒になるのを見届けた。
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「これも止まりましたね」
「それボタン押すだけでいいのか。まぁ終わったならいいや」
「なにのんきな事を言ってるんだ・・・まだ終わりじゃない!」
この時点で、知月の時計、駅の時計、いやこの町の全ての時計は、こう示していた。
【19:59】
駅の外、漆黒の空、その下を歩く人々、歩道橋から駅を見下ろす者。
「爆弾は見つかったかよ、残り1分だぜ探偵さん」
「まぁそれも、すぐ分かる事だけどな」
「20時丁度、駅から煙と炎が立ち上がって、オメェらの悲鳴を聞くんだからな」
駅内、シェリングたちが見つけて解除した爆弾の数、3個中2個。
タイムリミットは残り1分、爆弾もありかも分からず、どうする事もできない!
シェリングたちは知月警視の指示を受け、爆弾の捜索は断念して
駅にいる人たちに緊急事態を伝え、駅から避難するように指示を始めた。
しかし、たった1分で避難など無茶な話、逃げ出せたのは改札やホームに居た人のみ。
さっきまで混雑していた改札付近が、嘘のように無人と化す。
残ったのはシェリング、知月警視、ミルラス。
「って俺も逃げさせろよ!」
「無駄だ、もう10秒も無い、下手に動き回ると爆発に巻き込まれる」
「マジかよ・・・こんなのってないだろ・・・」
「すいませんミルラスさん、私に協力したばかりに・・・」
ミルラス、巻き添え!
5
4
3
2
1
「ジ・エンドだ」
第5話「ワザップステーション爆破事件」BAD END
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20時ジャスト、時限爆弾の起動時刻に達する。すなわち、タイムアップ。
2つの爆弾を解除し、残す爆弾が1つとしても、ワザップステーションはただでは済まない。
その威力はいかほどのものか、シェリング達は助かったのか。
振り返れば、シェリングはバリアス・ボムの勝負を受けた割に、良いところは無し。
見つけた爆弾も、1つは知月警視が見つけだし、もう1つはミルラスが見つけた。
これではシェリングは、ただの人任せ、己の実力を出せてない。
もし知月警視とミルラスに出会わなければ・・・結末は今より更に酷い有り様であろう。
このゲームにおいて、シェリングとバリアス・ボムの差しの勝負だったならば
何度繰り返そうが、勝敗はバリアス・ボムの勝ち、シェリングの負け。
この結果は揺るがず、変わる事は無い。
運命を変えようとしても、永遠にゲームの開始と終了を繰り返す。
終了するたび時間を巻き戻し、今度こそ勝つために、またゲームを始めていく。
シェリングはこの日の時間を、ずっとずっと生きていっただろう。
・・・とすると、今見てきた物語も無意味だったのだろうか。
今ので数十回目の再チャレンジ、とでもなるのだろうか。
その心配は無い、本当に同じ話を繰り返すなんて事は無いからだ。
答えは既に用意されている。それを知る者も1人居る。
そろそろ動かそうじゃないか、物語の歯車を。
決着を付けよう。
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【20:00】
やって来た運命の時間、人気(ひとけ)の消えたワザップステーションの中
そこにはシェリング、知月警視、ミルラスが残っている。
残っているのは人だけじゃない、未発見の爆弾も1つ、シェリング達の安否は。
吹き抜けていく風、外を走る車、タイヤと地面が摩擦する音
静寂な時間が流れる駅内に存在する、生体反応。人の気配。
「おい・・・爆弾は後1つ、残ってんだよな・・・?」
「そうだ。解除できた爆弾は2つ、後1つ・・・残ってるはずだ」
「なにも・・・起きない・・・?」
シェリング達は、傷1つ無く生きていた。
建物も無事、爆発は起きていない。何ひとつ被害は出てない。
それゆえに、不気味な空気が駅を包む。何故爆発しないのか、と。
駅の外、歩道橋から眺めていたバリアス・ボムは、階段を降りていた。
爆発しない、それはつまり、自分がゲームに負けた事を暗示しているからだ。
爆弾は全て解除されてしまった。シェリングがゲームに勝った。
歯を噛みしめ、駅を一点に見つめながら入り口付近まで歩いていく・・・
「やってくれんじゃねーか、探偵さんよ」
シェリングたちの前に、姿を現した。怪盗バリアス・ボム!
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探偵と警察と怪盗、ワザップステーションに今、3種の勢力が集結する。
もはやここは、ただの駅ではなくなった。戦いの場、戦場。
冷たい風がうずまく今宵(こよい) 激しい攻防戦が間もなく始まる。
「つーか、仲間居んじゃねーかよ。ルール違反だろー、おいー」
1対1でやり合うつもりだったバリアス・ボムは怒(いか)る。
自分の許可も無く、勝手にゲームに参加した、知月とミルラスに。
「これはよ、“オレとお前”の勝負だろうが!」
そして、協力者を作り、1対1の勝負をぶち壊した張本人、シェリングに激しく怒る。
「はーあ、シケた。つまんね。楽しんで損した」
激怒からの落胆。ヒートアップからのクールダウン。
そんな姿を見ながら、今か今かと声に出したい者がいた。
「お前・・・列車で一緒だったニュークリアだよな・・・?」
列車に乗り合わせ、口論となったミルラスが反応。
「だからなんだよ。オメェとはもう会いたくないと思ってたのに、あーウゼェ」
「犯罪者と口論してたとか・・・寿命縮めてたな。危ねえ」
「おーそっか、死にたいって言ったなオメェ。やってやるよ」
「やめろ! 挑発まがいな言動はつつしめ」
ミルラスに食ってかかるバリアス・ボムの間に、知月が割り込み2人を切り離す。
「チッ、世界一ムカついて仕方ねぇ。てかよ、オメェだよオメェ、クソ探偵」
「勝手に仲間増やしてさー、プライドとかねーの?」
怒りが静まっても、思い通りにいかない気持ちが言葉として漏れ、シェリングを挑発する。
「奴がバリアス・ボムでいいんだな?」と知月警視がシェリングに確認。
それに対してシェリングも「そうです」と肯定。
シェリング、バリアス・ボムの挑発をスルー。聞き流す。
さきほどから聞きたい疑問にうずくミルラス。ここでバリアス・ボムに質問する。
「なあなあ、仕掛けた爆弾って、3つなんだよな?」
「あん? 当ったりめーだ」
「だとするとおかしいんだよな・・・俺たちが見つけた爆弾、2つだから」
「は? ならオメェら、爆弾全部見っけてねーの?」
「うん」
仕掛けられた爆弾は3つ、見つけて解除した爆弾は2つ、やはり数が一致しない。
残り1つの爆弾、どこに行ってしまったのか・・・。
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シェリング達とバリアス・ボムが会話に気を取られてる間
一歩、一歩と、後ろから近づく者がいた。
「無事に済んだようだね、シェリング君」
その声に一同が反応して振り向く。
立っていたのは、白いハンチングを被った大柄の男性。ほとんどが初対面となる人物。
そんな中、シェリングにはハッキリとした見覚えがあった。
今から1時間ほど前、駅に向かう途中にて。引用:
「あ、ちょっと君ぃ」
「な、なんですか。私はちょっと急いでますので」
「まあまあ落ち着きなさい。これでも食べるかね?」
「そうかね、ならば必ず勝たないとね、頑張りたまえよ
「あの時チョコをくれた、おじさん。どうしてここに」
「君の思い詰めた表情が気になって、勝手ながら後を着けさせてもらった。すまないね」
「あのお方は、まさか・・・」
男性を見て知月警視が何かに気づいていると、続けてミルラスが男性に絡む。
「って言うかおっさん、今は取り込み中なんだ、俺たち一般人は離れた方が」
「なに、自分の身は守れる。心配ご無用だとも」
「いやホント、マジでやばいんだって」
「どんな風にやばいんだい?」
「だから、そこにいるアイツは怪盗バリアス・ボムって言う凶悪犯なんだって」
「ほお、彼がそうか」
「それにこの駅にはまだ見つかってない爆弾が1つあるんだって」
「ああ、それなら私が見つけて解除したよ」引用:
「ああ、それなら私が見つけて解除したよ」引用:
「ああ、それなら私が見つけて解除したよ」
その場の皆の耳に、男性の発言が何度も復唱される。
続いて宝くじが当たったかのごとく、驚きの声を挙げた。
つまり、駅の爆弾は全て発見され、解除された。もう爆発の恐怖に怯えなくていい。
その安心から、シェリングの瞳から頬にかけてスーっと涙がこぼれた。
ホッと胸をなで下ろしたミルラス、知月とともに、ただただ男性に感謝するのだった。
第5話「ワザップステーション爆破事件」
「オォォオイ! 勝手に終わらせてんじゃねーよ! 無視すんな!」
背景と化してたバリアス・ボムに脚光が当てられた。
仕掛けられた爆弾が全部見つかっても、事件はまだ終わらない。
次なる試練、怪盗バリアス・ボムとの決戦の時がきた。
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タカタカタカタカ・・・ タカタカタカタカ・・・
新たに出入り口から駅内に人が入り込んでくる。
淡い青色の上着に黒い長ズボンで、活動帽を被った同じ衣装の計6名。
「知月警視、只今到着致しました」と揃って敬礼をする。
そう、20時前に知月が呼んだ応援が駆けつけたのだ。
知月の指示により、6名の警官がバリアス・ボムの周りを取り囲む。
「チッ、本格的に警察呼んでやがったのかよ」
「両手をあげて観念するなら今だぞ」
「ヘッ、警察にビビって怪盗がやれるかっての! コレでも・・・くらえ!」
知月の説得に応じず、エスパーで手投げ爆弾を生成、その勢いで警官に向かって投げつける。
ボゴンッ ボゴンッ
肌に感じる熱気、髪の毛を震わせる突風、鼻の粘膜を刺激する火薬のニオイ。
爆音が耳に響き、煙が視界をも、さえぎった。
その威力は明らかに、路上で使った物が、いかにオモチャだったかを物語った。
威力が上がっても、これが奴の作れる爆弾の限界とは思わなかった。
ニュースで放送された公園の爆発現場、あれはもっと凄かったからだ。
あの日見た地面に空いた大穴を、私はまだ忘れていない。
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そんな物を作って使えば、その場にいる自分にも被害が降りかかる。
目の前で爆発させるリスクがあるから“手加減”をしているはずだ。
だからと言って当たっても大丈夫な訳ではない。
一生消えない火傷の傷跡はできてしまうだろう。爆発でショック死する可能性もある。
投げつけられる爆弾は解除する隙も無く、土台無理な話。
相手にハンデがあっても、有利な事に変わりはないのは、エスパーユーザーの強みと言うべきか。
そして視界を奪っていた煙が去っていく。
爆弾が起爆したであろう場所の地面は、えぐれて土が見える穴が空いていた。
それと同時に、バリアス・ボムが更なる一手を下しているのだった。
「・・・ミルラスさん!!」
ミルラスがバリアス・ボムに捕まり、体に異物が取り付けられていた。
「コイツに付けたのは時限爆弾だ。ちょっとでも変なマネしたら、コイツの命はねーぞ」
バリアス・ボムの手元には薄いカード型のリモコンが握られている。
「マジしぬ! 助けてくれ!」
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知月が一歩踏み出し、バリアス・ボムと話す体制に入る。
「人質という訳か・・・要求はなんだ?」
「別に1億ポイント用意しろとは言わねー。オレは帰りてーんだよ」
「解放の条件は、我々警察が貴様の逮捕を断念し、見逃せという事か」
「お偉いさんは話がはえー。そーゆーこった」
知月警視は、人質の安全を優先しているようだ。
思わず「私が人質になる!」と言いかけたが、銃を突きつけられるいるのではなく
爆弾を取り付けられているので、簡単に人質の交換は無理だと思い言わなかった。
「オレは今から外に向かって歩いてく、オレが駅を出るまでゼッテー動くなよ」
「ミルラスさんに付けた爆弾はどうなる!?」
「オレが駅から離れたら止めてやるよ。そうしないとオメェらが追ってくるしな」
「んじゃ、逃げさせてもらうぜ。あばよ、無能な警察様」
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ゆっくり徒歩でバリアス・ボムが歩き始める。追ってこれない我々を、あざ笑うように・・・。
「そーそー、オメェとはまた遊んでもらうからな、探偵さーん」
いかにもふざけた声で、次なるゲームを予告する。
それを聞いたシェリングの体内は、一瞬冷たい血液が流れた。
また爆弾の恐怖に振り回される。考えるだけで熱が出そうになる。
「・・・君たち、チャンスだ」
突然、大柄の男性こと、おじさんがシェリングと知月にだけ聞こえる声で喋り出す。
「ミルラス君の爆弾は私が処理する。失敗は無いと約束しよう」
「警官の皆さんには、私が合図したら走って奴を捕まえるよう言ってくれ」
私は、おじさんが何故そこまで自信を持ってるのか分からなかった。
しかし、爆弾を自力で見つけて解除した実績が、任せて大丈夫とも思えてくる。
同じく話を聞いた知月警視もうつむき考え、おじさんに小声で返事する。
「爆弾は必ず止められるのですね?」
「誓おう、絶対に爆発させないと」
その言葉を信じて、知月は近くの警官から小声で知らせ、伝言ゲームのように作戦は全員に知れ渡った。
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一定の間隔で振り向き、我々を確認するバリアス・ボムに気をつけて
おじさんはそっと、少しずつミルラスに近づき、隣りの位置に着く。
「ちょ、おっさんちょっ」
「声を出すんじゃない・・・」
モコモコ モコモコ
「今だ!」
おじさんの合図とともに警官6名が、バリアス・ボムに向かって走り出す。
おじさんの声と警官の足音にバリアス・ボムも気づいて振り返る。
「オメェら! そんなに死にてーのかー!」
「だったら・・・死ねっ!!」
カチッ
手元に握られたリモコンのスイッチが押された。ミルラスに付けられた爆弾が起動する・・・
・・・が、起動しない、何も起きない。それよりも無い、アレが。
ミルラスの体に付いてた爆弾が消えている。跡形も無く。
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