ワザップ!フォーラム
スレッド内検索
-
「皆さん、少々付き合ってもらえますか。
私なりに推理した、事件の真相をお話したいと思います」
乗客の皆がいっせいに私の方を向き、興味を示す。
と言っても、けして期待してるわけではない。終着駅に着くまでの暇つぶし、それだけの事。
「犯人は、ラチェットさんがSPで、50万Pと勲章を運んでる事を知ると、
列車にさまざまな仕掛けをほどこし、ラチェットさんをその中へと招待した。
そして自分も乗客の1人として列車に乗り、犯行のチャンスを待ったのです。
列車がトンネルに入り、車内が真っ暗になる、その時を」
「列車がトンネルの中に入り、車内が闇に包まれると、犯人は行動を起こします。
ラチェットさんのケースから50万Pと勲章を抜き取り、最後尾の窓を割る。
それらを終わらせると、何食わぬ顔で自分の席に戻り、騒ぎが起きるのを待ちました。」
「そうですよね、犯人のサイラスさん」
「……なにを言うのですかシェリングさん、警察の私が盗む訳が」
「そう、あなたは警察官という立場で、唯一持ち物検査を受けてませんよね」
「当たり前じゃないですか、私はれっきとした警察官であり、市民の平和を守る職業ですよ」
「では、あなたの警察で所属する部署を教えてください」
「どうしてそこまで私を疑う?」
「電話して確認を取ります。本当なら教えられますよね?」
「……唐突過ぎて答えかねますね、それに私が、どうやって犯行をしたと?
暗闇の中で動けた方法、ロングコートの人物の行方、これらを説明してもらいましょうか」
話をそらした、しかし犯行方法も察しがついている。あえて乗っかってみよう。
「暗闇でも動く事ができたのは、あなたのしているサングラス。
ミシェルさんが言った、あなたのサングラスに対する不自然さがヒントを与えてくれました。
恐らくそれは暗闇でも見える、夜光用のレンズが使われてますね」
「そしてロングコートの人物の行方、これは私自らの体験がヒントになりました。
足下に落ちてるPを拾って渡そうと話しかけた時、相手には息使いのひとつも聞こえませんでした。
あなたの介入で詳しく調べる事ができませんでしたが、今になって思うと、
帽子とマフラーで顔も見えなかったアレはマネキン、人形だったのではないか、と」
「あなたは列車がトンネルに入ったら、サングラスで暗闇の車内を把握したのち、
ラチェットさんのケースから中身を抜き、最後尾に置いた人形で、窓を割って投げ捨てた。
自分の席に戻り、事件が発覚すると、自分は警察官だと名乗り出る。
誰からも疑われない有利な状況を作り上げ、その場を支配した。どうですか?」
「んんー…何から何まで当てられちゃったねぇ。ところで、何から私が怪しいと?」
「あなたは自分が警察だと名乗った時、NGワードを発していたのです」
「NGワード?」
「ラチェットさんと私の間に割って入った時に、”金品が盗まれた”と言った」
「それのどこがNGワードになる? 実際盗まれた物は金品だった」
「確かに。ですが、ラチェットさんが盗まれた物の詳細を話す前に言っては
あなたは盗まれた物を知ってるような口ぶりになりますよ」
「あー…口が滑ってたねぇ、博物館で会った時から、
するどい奴だとは思ってたが、そんな事まで覚えてるなんて…」
「やはりお前は…オールドコインさんに化けて、ウラコメの涙を持ち去った…
”怪盗ミリオン・フェイス”!!」
「アハハハハハ! 今日の君は名推理のカーニバルだねぇ! いかにもその通りだよ」
「もう後数分で列車も終点に着く、逃げ道はないぞ!」
まさか依頼主の所に行く途中で、こんな収穫が得られるなんて…。
逮捕困難な怪盗ミリオン・フェイスを、現行犯で捕まえられる…!
「君さえ居なければうまくいったと言うのに、大きな誤算だよ。盗んだ物は返そう」
ラチェットの方に、50万Pと勲章が入った封筒を投げて渡した。
「終点ー終点です、お忘れ物の無いようにお降り下さい」
到着を知らせるアナウンスが流れ、列車のドアが開いた。
ボゴンッ! ボゴンッ! ボゴンボゴンボゴンッ!!
「うわーーーー! なんだ!?」
「キャーーー! なによ一体!」
すると突然、列車に爆音が鳴り、黒い煙が立ちこめた。
煙の中で乗客同士がぶつかり合い、車内はパニック状態。
「この中にいては危ない! 外に出ましょう!」
私たちは列車を出て駅のホームへと避難した。
……やられた、ミリオン・フェイスが居ない。この混乱で姿をくらませたか。
ホームには他の列車から降りていく人の群で、ごったがえしている。
もう他の姿に変装にしている事だろう……これでは探しようもない。
騒ぎで駆けつけた駅員に連れられ、私たちは駅長室で一連の出来事を話した。
幸い列車内の爆発でケガ人は無く、盗まれた50万Pと勲章も無事でした。
「なんてお礼を言えばいいか…本当にありがとうございます。また何かあれば、力になりますので」
皆さんとは軽い挨拶だけをして別れ、ラチェットさんからは名刺を頂いた。
怪盗ミリオン・フェイスには逃げられてしまったけど、
盗まれた50万Pと勲章は取り返す事ができて、今回の事件は幕を引きました。
では私も、依頼主の所に向かうとしよう。
その頃、駅の周辺の路地裏では
「はぁ…はぁ…急に列車が爆発するとは思わなかったねぇ…。おかげで逃げるチャンスになったが…」
「こんなところにまだ居ていいのか? もうすぐ警察が来んぞ」
「ぬっ…なんで乗客のお前が…」
「あのままじゃ警察が駆けつけると思ったから、爆発を起こして混乱に乗じてオレも逃げてきた」
「あれは君の仕業か…警察を避けるということは、君も怪盗かい?」
「まぁな。んじゃ、オレはそろそろ行くわ。あの探偵で遊んでみたいしな」
第3話終わり
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
3話裏話
今回の話「ワザップ急行の紛失事件は」
アガサ・クリスティーが生み出した名探偵「エルキュール・ポアロ」シリーズの
「オリエント急行の殺人」をモデルにして、内容はまったくのオリジナルで作成しました。
作中に登場する、ラチェット、サイラス、ミシェル、ヘクター、オルソンの名は
オリエント急行の殺人の登場人物から使わせてもらいました。
一方、登場人物のファミリーネームの方はワザップユーザー様より頂きました。
ラチェット・アックー→アックー様
ミシェル・グリム→ダーツグリム様
ハバード・ミルラス→ミルラス様
オルソン・カデット→カデット様
ヘクター・ヴァイン→ゼロヴァイン様
以上が3話の裏話になります。
現在は4話作成のため、ネタ集めで色々仕込めるように考え中です。
早ければ今週中に開始すると思いますので、もう数日お待ちください。
4話予告「CDの悲劇」(予定)
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
第4話「CDの悲劇」
・登場人物紹介
シェリング:探偵
ラース:依頼者の女
リブート:ストーカーの男
列車の騒動を後は警察に任せ、私はワザップステーションを後にした。
想定外の事件により、脳を推理で疲れさせてしまった。
こんな「休みたい」でいっぱいの頭で、依頼者の話をしっかり記憶できるか心配だ。
カバンからチョコレートを取り出し、依頼者の家まで食べながら向かう事にする。
もらった住所情報ならこの辺りのはずだが……ああ、ここか。ピンポンの鐘を鳴らそう。
「……はい」
「ネットで依頼を受けてきた探偵の者です」
「あ、はい! 今出ますね」
ガチャっとドアが開き、可憐な風貌の女性が出てきた。
ショートカットな髪型、化粧で色白な顔に赤い唇が目立っている。
「早く部屋に入ってください!」
「え?」
「ストーカーに見られたら大変なので!」
「ストーカーですか! 分かりました!」
言われるがまま、彼女の家へと上がり込む。
「自己紹介がまだでした…私はラースと言います」
「ラースさんですね、私はシェリングです」
「それで依頼の内容ですが、ストーカー被害に遭われていると言う事でよろしいですか?」
「はい……先月くらいから始まり、今日までいろいろと……」
「例えばどんな被害に?」
「始まりは家のポストに入れられた手紙でした、これです……」
「愛しく可愛い子猫のような君へ。
あなたを見かけたその日から、僕の心はジェットコースターのように高鳴るようになりました。
君の事を考えると…もう、もう!僕の心臓がぁ…激しくシェイクして壊れそうだよ!
はああ!物陰から君を見るだけで!僕の顔はリンゴのように赤くなって溶けてしまいソーダ!
ああ!美しい君のために命を差し出せと言われたら!いつでも差し出す事ができるぅ!
即日配達で君の家に届けられるよ!いつでもご利用ください!待ってます!」
読んでるコッチが恥ずかしくなる内容だ…
こんな文章が思いつく恋とは、やはり病(やまい)と言うべきか…。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
「確かにこんな手紙が届けられたら…怖くなりますね」
「他にも…写真が届いた日もありました」
「写真?」
「寝ている時に撮ったと思われる写真です…」
「悪趣味な…あなたが寝てる時に寝顔を撮るなんて」
「いえ私の寝てる時じゃなくて…、現物を見てください、これです」
「え…、ああ……自分で自分の寝顔を撮ってる、これを送ってきたんですか」
よほど自分の顔に自信があるんだな…確かに顔はイケメンと言える。
って、この人は自分の顔をバラしてしまってる事は分かってるのだろうか…。
手紙通りの人なら、そういう事はなんにも考えてなさそうだ。
「でも、本当に家に入ってきた日もあったんです!」
「本当ですか!」
「私の部屋に入り……」
「なんですか! 部屋を荒らして物を盗んだとか!?」
「私の部屋を勝手に……掃除していきました」
「そ! ……そーじ?」
「はい…出しっぱなしの物を全て片づけて…掃除機も使ってホコリを取ってました」
「それって…イイコトしてくれてるんじゃ…?」
「どこがですか! いつもテーブルに置いてる物を探すのが大変でしたよ!」
「あ、ああ……。そうですね、自分の置いた物の位置が変わると困りますよね…」
「テレビのリモコンがなかなか見つからなくて……結局テレビの上に乗せてました」
うーん…判断に困る…。掃除は良いとして、家宅侵入罪にはなるわけで…。
「それで家に入った際、相手は家電の番号も調べたみたいで毎日のようにかけてくるんです!」
「迷惑電話! それは大体何時頃にかけてくる事が多いですか?」
「朝8時です」
「朝ですか…早いですね、こういうものは夜のパターンが多いんですが」
「朝8時に必ずかけてくるんです…おかげで夜更かしと寝坊ができなくなりました…」
「これはまた…悪い事かどうか判断しにくい…」
「月曜から金曜まで必ずかけて、土日はかけてこないんです…」
「まるで…あなたを起こすための目覚まし時計みたいですね…」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
「極めつけは、最近始まった1週間毎日プレゼントを送ってくる事です…」
「プレゼントですか…物によっては迷惑行為や精神的苦痛を与えますが…」
「月曜日はリンゴが届き、火曜日はごませんべいが、水曜日はイチゴ大福」
「食べ物を送ってきてるんですね、今のところ危険物は無いようで」
「木曜日は栗まんじゅうで、金曜日はウナギパイ、土曜日はいいちこ」
「待ってください、いいちこ? あのお酒ですか?」
「はい」
「イチゴ大福とか、栗まんじゅうとか、甘い物が続いていたのに急にいいちこ?」
「そして最後の日曜日は…コンロでした」
「とうとう食べ物じゃなくなりましたね…」
「はい……コンロはIHでした…」
変なストーカーだなぁ…最初の手紙さえ普通なら良い人とも言える。
被害者の受けた事も、悪質性や危険性は薄い、見方を変えればボランティア…と言うべきか。
しかし、この先で危ない行動に走る可能性は大いにある。調査はするべきだ。
「では、あなたの家の周りを調査してストーカーの身元を突き止めてみましょう」
「はい…よろしくお願いします」
そう言って私は彼女の家を出た。まずは近所に聞き込みから始めてみよう。それで……
「ぬぅう! 誰だお前は!」
背後からの急な大声でギクッと肩が上がる。振り返ったそこは見覚えのある人物が立っていた。
あ、コイツは写真の! ストーカーご本人登場だと…。
なんてタイミングの良さ、少しはジラすという事を…。
実際に顔を見ると、男なのに化粧の力の入れっぷりがすごい。
正直、依頼者よりも化粧の塗り方が細かいところまで行き渡っている。
「おぉい答えろ!お前どうしてあの家から出てきた!見てたんだぞ!」
「いや、それは呼ばれて…」
「よっ…! あの子が…お前を!?」
「待ってあなたは今すごく勘違いしている! 落ち着いてください!」
「ああう! ショック・アーンド・ショック! お前なんかが!お前なんかが!」
「だから違う! もうこうなったらハッキリ言おう、あなたは彼女につきまとってるストーカーですね?」
「スッッットーカー!? 僕はストーカーじゃない! あの子を幸福に導く、愛の聖者さ!
ああ…君を思うこの胸の高鳴り…君に届けこの思い上腕に乗せ…Sweet Love」
「なるほど気持ち悪い! とにかく彼女は嫌がっている、今後こういうことはやめるんだ!」
「い、嫌がってる…? そんな…僕の愛が何故…嘘だろう?」
「本当だ、現に私は探偵で、ストーカー被害の依頼で彼女の家にお邪魔していたんだ」
「バカな…これは夢! 夢だ! 早く覚めるんだ僕!」
「ところがどっこい現実です、夢じゃありません。さあ彼女の家に謝りに」
「そんなの僕は認めない! 夢を覚ましに行ってくるよ、グッバイ!」
「あ、待て!」
くっ、走るの速すぎる追いつけない…。
イケメンとは言え、あんな涙流して鼻水も出して全力疾走してたら出会う人が腰を抜かすぞ。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
イケメンに逃げられた私は彼女の家に戻り、ドアを開けたまま玄関で一連の出来事を話した。
「……そんなわけで、走って逃げてしまいまして…」
「ストーカー調査の事をストーカー本人に話すなんて、それでも探偵なんですか!」
彼女の言うとおり、さっきの私は探偵として恥じるべきミスだ。
犯行の証拠もなしに、犯人にペラペラと話して情報を与え、そのあげく犯人に逃げられる始末。
証拠を集めてから現行犯の時に問いただす、その手順を守らなかった大いなる失態だ。
これにより今後の捜査は難しくなるだろう。探偵よりも警察が相応しい舞台になる前に……
「はああ居た! 僕は君に謝らなければならなーい!」
ゲッ、イケメン再び。それと手に持ってる大きめの荷物はなんだ。
謝る…またプレゼントでも買ってきたのだろうか。
「僕の好意が君を傷つけていたなんて…この世で生きているのが恥ずかスィィィ!」
今までの人生は恥ずかしくなかったのだろうか…。
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい! 今ここで……僕は死にます!!」
死ぬ!? 何をする気だ、そのデカイ荷物は……
「この爆弾で! 僕は人生をバッドエンドにします!!」
ば、爆弾だと! どっから調達してきたんだっ。
こんな所で爆発させたら、私たちも無傷で済まない。
「そんなことで死ぬんじゃない! 今からやり直せばいいだろう!」
「はああスイッチオン! これで1分後に僕はドカーンさ!」
「取り消せ! 解除しろ!」
「止め方なんてナッシング! もう僕はおしまいだ放っておいてくれ!」
「くっ…ラースさん! 家の中に避難しましょう!」
「は、はい!」
……バタンッッ
「はああ神様、今日まで僕を見守って頂き本当にありがとうございました」
「そして綺麗な世界よ、今日まで過ごせた事を心の奥底から幸せに思う」
「僕はこの世から卒業します、シーユーアゲイン!」
5……
4……
3……
2……
1……
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
……パァン!
爆発音と思われるものが家の外から聞こえた。
あのバカが…最後まで彼女を困らせ、無責任にこの世を去りやがって。
普通に謝って、今後は礼儀正しく接していくなり、他に道はいっぱいあっただろうに…。
とにかく、彼の最後の姿を見てやるか、警察に通報するのはその後だ。
……ガチャ
ああ、立ったまま死んでいる。顔が煙で真っ黒に染め上げられたか。
安らかな表情をしやがって、あの世で幸せにな……。
「はああ! これは!」
「うわっ生き返った! こいつゾンビか!」
「失礼だぞお前! 僕をゾンビに例えるなど!」
「あの…どうなってるんですか…」
「そうだ、どうして生きているんだあなたは、しかもすごく元気そうに」
「僕もビックリしているよ、この爆弾は思ったより威力が無かったらしい」
「ってことは、ただのドッキリグッズじゃないですか…」
「無事に済んで…なによりでした…」
「心配かけてごめんよ…でもそれで僕は目が覚めたよ。
死んで償うのはバッドチョイス、間違いだったと気づいた。
これからはマトモな方法で君に償おうと思う、それは迷惑でしょうか?」
「いえ…そんな事はしなくても良いですよ。
今回のことで…あなたは悪い人ではないと思いました。
これからは友達ということで…友好関係を築いていきましょう」
思わぬ事が、和解の道を切り開く。バクハツから始まる恋か。
「ありがとう、やっぱり君は僕の女神、ビーナスだ!」
「だから、そういう言い方が気持ち悪いと思われる原因で…」
「実はそのことで…言わなければならない事があるんです…」
言わなければならない事……?
「実は私……本当は……」
「男なんです!」
ヒュー……
「ぇぇぇぇえ!? だって見た目は完全に女性にしか」
「髪はカツラ…顔は化粧で…。生まれつき可愛い顔と言われていたので…」
なんと……女装だったわけか……。ああ…イケメンも黙り込んでいる…。
当然だ…ストーカーしていた相手が男だったなんて普通にフラれるよりつらい。
麦茶だと思って飲んだらめんつゆだったくらいの衝撃と言える。
「フゥゥゥゥ………ミラクル! こんな事があってもいいと言うのかー!」
「落ち着いてください! ショックなのは分かりますから!」
「落ち着いてなんかいられないよ! 今こそ僕もカミングアウトしようじゃないか!」
「ちょ、なにする気ですか!?」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
突然化粧を落とし始めるイケメン、一体なにを……実は超絶ブサイクなどと言うオチでもあるのか。
「実は僕も男ではなく……本当は女なんだよ。だけど女の姿には自信が無くてね、
こうして男装をする事が、僕に自信を与えてくれたんだ」
ヒュー……
お…ん…な…!? とんでもなくややこしい事になってきた。
女性だと思ってた依頼者は、実は男。男性だと思ってたストーカーイケメンは、実は女。
頭の中を新幹線が通過して一掃された、今の状態こそ放心、心ここにあらず。
ここまでくると、叫ぶ事さえ忘れてしまうほどの刺激物を混入されてしまった。
「わぁー…女性の姿の方が…とてもステキです」
「ほ、本当かい?」
「はい…これからもその姿で…居てほしいです」
「そんな事を言ってくれたのは君が初めてだ、はああ神様、このめぐり会いに感謝します!」
「そう言えばまだ…名前を言ってませんでした…私はラースです」
「僕はリブート、これで名前で呼び合えるね、本当に嬉しいよ!」
「シェリングさん…この度は本当にありがとうございました」
「君は僕たちのキューピットだったんだね、ありがとう」
こうして、2人は友達から付き合っていく事となり、ストーカー事件は無事解決。
2人の間の誤解と言う名の壁を、あの爆弾が見事に破壊してくれたのでした。
「しかしリブートさん、あの爆弾で本当に死ななくてよかったですね」
「そうだね、あの時は本当に死を覚悟したよ」
「と言うことは、爆弾はずっと本物だと思ってたんですね、どこで手に入れたんですか?」
「あれは君から走って逃げてた時だった……」
時間をさかのぼり、シェリングから逃げ出したリブート。50メートルは走った時の頃だった……
「僕なんてサイテーな事をしてしまった! もう生きているのが恥ずかしぃぃ!」
「待ちな、お兄さん」
僕を呼び止める声、その声の主は電信柱に寄りかかって僕を見ていた。
「な、なんだい君は?」
「死にたいんだろう、だったらオレが手を貸してやろうか?」
その言葉に僕は恐怖を感じた、コイツに殺されると。
「結構だよ! 自分で死にたいからね!」
「誰がテメェを殺すかよ。ちょっと待ってな」
そう言うと彼は両手を光らせ、目の前にまるを描くように動かすと、たちまち物が出現した。
「その力…なんなんだ君は…」
「ほら出来た。コレやんよ、そこのスイッチを押せば1分後にドカンだ、好きに使いな」
「コレは爆弾…? これで爆死するのも、確かに悪くない…」
「死を迎えられる時くらい、派手に行こうぜ。そういう気持ち、分かんだろう?」
「分かる!分かるよ!君の気持ち! 僕はこれでビューティフルに散る! 行ってくるよ!」
……タッタッタッタ
「へへっ、バカなやつ」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
「〜〜というわけで、あの爆弾はもらい物だったんだ。
僕のためにドッキリグッズを用意してくれるなんて、彼にも感謝しないとね」
手を光らせて爆弾のオモチャを作ったその人は間違いない、エスパーユーザーだ。
結果的にリブートさんのためにはなったが、根本的にはただの嫌がらせ。
悲観するリブートさんを、さらに悲観されるためのタチの悪いイタズラ。
そう思える自分の考えは、汚れているだろうか。
「ではそろそろ私は帰ります。お二人ともお幸せにしてください」
「最後までキューピットなんだね、君は」
「で、では依頼料は後日振り込みさせもらいますね…」
お互いにお辞儀をし、別れの挨拶を済ませ、私はラースさんの家を後にした。
綺麗に終わったような、そうでもないような、複雑な気持ちが残る事件だった。
時刻は4時半、もうすぐ町中が黒とオレンジ色にあふれ出す頃……
「やっと仕事終わりかよ、待ちくたびれたぜ探偵さん」
振り向いた所には、見覚えのある人物が言葉通り、私を待ちかまえていた。
「あなたは確か……」
第4話 終わり
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
4話裏話
今回のタイトル「CDの悲劇」は、エラリー・クイーンの小説「Xの悲劇」をモデルにしてます。
登場人物の「ラース」「リブート」の名前にも秘密があり
2つの名前を足して、並べ替えると「ラブストーリー」になるようになってます。
話は普通の恋愛とは、かけ離れた内容でしたけどね。
プレゼントに送ってきた
「リンゴ」「ごませんべい」「イチゴ大福」「栗まんじゅう」「ウナギパイ」「いいちこ」「コンロ」
実はコレ、しりとりにしてました。最後のはオチとして、あえてコンロにしました。
最後にタイトルの「CDの悲劇」の「CD」とは、なんなのかを明かします。
「CD」は「Cross Dress(クロス・ドレス)」の略で、意味は異性装(男装・女装)
まさに、4話の内容のネタバレタイトルでした。
以上が4話の裏話になると思います。1つでも気づかれた方はリアル名探偵です。
それでは、次回の5話が1日でも早く始められるように励みたいと思います。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
第5話「ワザップステーション爆破事件」
・登場人物紹介
シェリング
怪盗バリアス・ボム
ハバード・ミルラス
白いハンチングを被る太った大柄な男性
メガネをかけた背の高い黒髪の男性
占い師
ストリートミュージシャン
ゲーマー
志集売り
夕日でオレンジ色に染まった帰り道で私を呼び止めた人物。
それは行き道の列車で出会った乗客の1人、ニュークリアだった。
その表情は、良からぬ企みを持った笑みを浮かべている。直感で和やかな話はできないと悟った。
「なにかご用ですか、ニュークリアさん」
「そう堅くなんなって、オレはアンタと遊びにきたんだ」
「どんな…遊びですか?」
「こんな遊びだよっと」
そう言って左手の指で右手のひらをトントンとすると、豆粒のような物が作り出されていく。
10個ほど生み出したところで、私に向かって投げてきた。
……パパパパパパパパァン!
私の前で次々と豆粒が破裂する。火薬のニオイ、煙で目が痛い。
「ゴホッ、いきなりなにをするんですか!」
「こういう遊びだよ、オレのエスパーを使ってな」
「やはりあなたは…エスパーユーザーなんですね」
「オレのエスパーは爆弾。
いろんな爆弾を作れて、爆発のタイミングも自由に決めれる」
「爆弾のエスパー…今のもそれというわけですね」
「今のは超手加減したやつだ、その気になれば家1つ吹き飛ぶ物も直ぐ作れんぜ」
「やめるんだ、こんな住宅街で被害を出すな!」
「しねーよ、警察が来ちまったら指名手配されてるオレがヤベェだろ」
「指名手配? まさかあなたは……怪盗」
「やっと気づいたか、気づくのおせーんだよ。
今世間を騒がせてる連続爆弾魔、”怪盗バリアス・ボム”ってのはオレの事だよ」
怪盗バリアス・ボム、それは最近のニュースでも見たばかり。
モバイル地方の談話公園に爆弾を仕掛けて爆破し
遊んでいた数名が全身に火傷を負って病院に運ばれた恐ろしい事件。
その犯人が今、目の前にいる。それも既に列車で会っていた人物。
思い返せば、列車内で爆発が起きて、怪盗ミリオン・フェイスを取り逃した時。
あの爆発はこの男による物、ずっと気がかりだった謎が解けた。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
この男の邪魔さえ入らなければ、怪盗ミリオン・フェイスを捕り逃さなかった。
その未練は、この男を捕まえようという想いに変わり、私をかり立てる。
「あの時はよくも…怪盗バリアス・ボム、お前を逮捕する!」
「ハァー? アンタにはムリムリ、オレの爆弾で病院送りになりてぇのか?」
「くっ……」
悔しいがヤツの言うとおり、私1人ではどうすることもできない。
せめて私に……対抗できる力、エスパーがあれば……。
「オレはアンタと遊びにきたっつったろ、ゲームをしようぜ、探偵さん」
ゲーム……導火線に火をつけた爆弾を投げ合い、爆発して粉を被った方が負け。
そんなバラエティーなゲームは、してくれるはずがないだろう……
「1回しか言わねーからよく聞けよ。
今から1時間後の19時、この先のワザップステーションに来い。
そこでオレが仕掛けた3つの爆弾を、20時までに見つけて解除するだけ、簡単だろ?
アンタにも解除できるように、スイッチを押すだけで止まる爆弾にしてやっから」
ワザップステーションに……爆弾!?
人が集まるあんな場所で、3つも爆弾が爆発したら多くの被害が出る。
そんなことは、絶対にやらせない!
「……分かった、そのゲーム相手をする」
「逃げ出すならいつでもいいぜ、オレは爆発させれたら、それでいいからな」
「逃げたりはしない、絶対にワザップステーションを守ってみせる」
「ヘヘッ、残念だったなー、今日はこのまま無事に帰れると思ってたろ?」
「ああ……、あなたがそんな人だとは思わなかった」
「思い通りになんてさせるかよ、それを邪魔すんのが、オレの一番の楽しみなんだから」
列車の時から問題児だったが、ここまで最低なヤツだったとは。
おかげで闘争本能に火がついた、このゲーム絶対に勝つ。
そして警察の応援を呼び、必ずお前を捕まえてやる。
「んじゃ、オレは先に行くぜ。頑張って止めにきな」
……ボフンッ!
また爆弾、今度は煙が多い、煙幕弾を使ったということだ。
目にしみる……壁はどこだ、寄りかかって煙が晴れるのを待とう。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
充満していた煙も消えて、視界に道が見えてきた。
ここからワザップステーションへは徒歩30分と言ったところか。急ごう。
私は走った、19時までにワザップステーションにたどり着かなくてはならない。
1分も遅刻はしたくない、爆弾を探す時間を削りたくないのだ。
「あ、ちょっと君ぃ」
私を呼び止める突然の声、振り返って見たその人に見覚えはない。
頭には白いハンチングを被っている。
服の上からでも少々前に出ているお腹、太った大柄な男性である。
呼び止められるデジャブ、また怪盗なんじゃないかと嫌な予感がする。
「な、なんですか、私はちょっと急いでますので…」
「まあまあ落ち着きなさい、これでも食べるかね?」
差し出される包み紙のお菓子、あめ玉か。
いや、これはチョコだ。丸い台形で枠にはギザギザが入っている。
パクッと口に入れたいが、知らない人からもらうのは、危険もあってためらう。
だが、正直な気持ちでは食べたい、これからの戦いに勝つためにも栄養として欲しい。
食べていいのなら頂こう、これが毒入りチョコで、ここで死ぬほど私は不運ではないはずだ。
「お、おいしい…。とても濃厚な味で良い香りがしますね」
「カナダのチョコでね、その辺で売ってるのとは、ひと味もふた味も違うだろう?」
「はい、これで余計に勝てる気がしてきました」
「勝てる…、今からなにかの試合かね?」
「試合ではないんですが…とても大事な勝負なんです、絶対に負けられません」
「そうかね、ならば必ず勝たないとね、頑張りたまえよ」
「はい、ありがとうございます! それでは!」
……タッタッタッタッタ
「……そうか、勝負か。
あの子の瞳は、凄く揺れていたね。よっぽどセッパ詰まっているのだろう。
それほどあの子を追い詰める物の正体、実に興味深い」
走るシェリングの後ろ姿を見ながら、男性はそう呟いた。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
……18:57
私はワザップステーションに着いた。タイムロスはない、1時間まるまる使える。
駅の高い壁に埋め込まれた時計を見つめて、針が19時を告げるのを待つ。
こういう時の時間の経過というのは、普段より遅く感じる。
針に向かって、「早く動け」と念じる自分がいる。
しかし19時を回れば、私は針に「遅く動け」と念じ始める事だろう。
人間は自分勝手だ。つくづくそう思う。
……19:00
時計が19時を知らせた。駅にいる大勢へ訴えかけるように。
それでも駅に爆弾が3つ仕掛けられてる事は、まだ2人しか知らない。
私と怪盗バリアス・ボム、たったそれだけ。
守りたい、今から目的地に行く人、帰る人たちを。
私は駅の中を動き回る、爆弾を探し出して停止させるために。
たたずんでいたら落ち着かない、動いてないと落ち着かない。
他の人とぶつかって嫌な顔をされるのがなんだ、そんなメンタルの弱さでどうする。
イメージしろ、今の私は強い、このゲームにも勝つ、怪盗バリアス・ボムを逮捕する。
お土産に食べ物を売る屋台、その近くに2台の自動販売機。
ここは立ち食い店、麺類を立ったまま食べれる。入り口からダシの良い香りがする。
おっと、観光気分で居てどうする。緊張感を持てと自分にカツを入れないと。
「もしもし、そこのアンタ」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
私を呼び止めたのは店の隣に座ったアラフォー世代の女性。
テーブルに真紅のクロスを掛け、カラフルな石や、分厚い本が置かれている。
見た限りは占い師、通行人を呼び止めて客を作るのはドラマだけと思っていたが……
「私に何か用ですか?」
「アンタ思い詰めた顔をしてるからね、気になって声かけたのよ」
これだけ人が横行するステーションの中でよく見てる人だ、悩んでる私を引き当てている。
「占ったげるよ、前のイスに座りな。占い料は900Pだよ」
「900!? 高すぎませんか、安い靴が買えますよ。それに私は急いでて」
「男がケチケチするんじゃないよ、じゃあ800でどうだい」
100下がっただけ……。私には時間が無いのだ、さっさと断ろう。
「黙るんじゃないよ。めんどくさいわね。じゃあ半額、450でいいよ」
……半額、その言葉に人は弱い。負けた。
ポケットから財布を取り出して開け、450Pを前払いで渡した。
「半額なんだから、たくさんは占わないよ。利き手を出しな」
右手をテーブルに置くと、占い師は虫眼鏡で手相を見始めた。
「ふんふん…」「ほほう…」などと反応を見せてるが、正直胡散(うさん)臭く思える。
「もういいわ、結果を話すよ」
「よろしくお願いします」
「アンタ相当悪いモノが憑いてる、事件に巻き込まれやすいよ。
これからも面倒事に次々と遭うから覚悟することね。
後、今日に限ってだけど出会いがあるわ。
それが良いか悪いか、どう思うかはアンタ次第、終わり」
事件に巻き込まれやすい…か。探偵としてはありたがい事だと前向きに思おう。
そして出会い、どんな人と出会うか見物だ。
既に怪盗バリアス・ボムと言う、とんでもない奴とは出会ってる。
それ以上怖いものは早々無いだろう。なんでも受け入れてみせる、望むところ。
少し時間を食ったが、さあ捜査に戻ろう。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
……19:12
私の目には不自然に映る、いわゆる怪しいものを探しながら歩く。
占いに時間を使った。12分…1時間の20%も使っている、少々まずい。
自分の事より爆弾の在処(ありか)でも占ってもらうべきだった。
もう1回占ってもらうのは時間が惜しい、それに占い頼りにするのはみっともない。
これは私とヤツの勝負、自分で探さなくてどうする。
そうしていると目に留まる2人の子供達。
駅の中だと言うのにラジコンカーで遊んでいる、通行人には邪魔な事この上ない。
占いに使った時間は意味があったのかと思う気持ちも混ざってムカムカしてくる。
今すぐラジコンカーを取り上げて駅の外へ投げて……そうじゃない。
これでは注意を通り越してただの八つ当たり、気が立っている証拠。
イライラして周りが見えなくなったら爆弾も見逃す、深呼吸で気を静めよう……
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
子供から目を離した私の瞳が新しいものを捕らえた。
あのリュックを背負った男性、小型の機械を持ち、そのモニターを見ながらうろうろとしている。
まさか奴は怪盗バリアス・ボムの仲間、機械は爆弾の現在地を示してるのでは……
「失礼、あなた今なにをしているんですか?」
「ひぇっ僕はその」
「今リュックに隠した機械を見せてください」
「なんで見せなきゃいけないんですか、それにあなた誰ですか」
「私は探偵です、今極秘で駅を捜査していて、あなたの持ってる機械が怪しく見えたもので」
「意味分かんないですそれじゃ」
「待って! 逃げようとする所も怪しい、リュックに入れた物を出してください」
「気安く触んないでくださいよ! 分かりましたよ出しますよ、はい」
「これは……ゲーム機?」
「そうですよっ。僕はただ、リュウクエ9のすれ違い通信をしてただけなのに」
なんてことだ、小型の機械の正体は携帯ゲーム機。この人は普通のゲーマー。
「疑ってしまってすいませんでした」
「分かればいいですよ分かれば」
ダメだ、焦るあまり判断を誤った。まだイライラが残ってる。
頭を冷やせ、探すのは爆弾、怪盗バリアス・ボムの仲間ではない。
そうだ聞き込み、爆弾らしき怪しい物を見かけた目撃者が居ないか探してみよう。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
……19:25
わずかな可能性を求め、爆弾の目撃者を探し始める。
目撃者の条件は、駅内に長時間居た人物、駅員などに聞くのが無難か。
……!?
今のは……なんだろう、自分に向けられた視線を感じる。
通りすがりにチラチラ見られるなんてものじゃない。じっくりと見られたような。
知り合いが居るのかと周りを見回すが、特に何もなかった。
ん、あの人……
あそこにいるのは、壁に寄りかかって「志集 100P」と書かれたプラカードを持つ若い女性。
そうだ、ずっとあそこにいたなら、何かを目撃してるかもしれない。聞いてみよう。
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
「すいません、ちょっといいですか?」
「は、はい。お買い上げありがとうございます」
「いや、志集を買いにきた訳じゃなくて…」
「違うんですか……」
しまった、彼女を悲しませてしまってる。
列車の時の事を思い出せ、女性はホメて機嫌をよくしてあげる、そして警戒心を解く。
「ちょっと聞きたい事があったんですが、この機会に志集1つ買ってみようかな」
再び財布からポイントを出す、占いに続き出費が多いな……。
買った志集は自分の鞄の中に閉まった。
「あ、ありがとう…ございます…お買い上げ」
「帰りの列車で読ませてもらいますね。ところでここに立ってて、変なものは見なかった?」
「変なもの……?」
「誰かが怪しい紙袋を置いて行ったり、工事があったとか」
「えっと、向かいのショーウィンドウ…さっきまで空っぽで、業者の人が物を置いたり飾り付けを」
「その業者の行方とか分かる?」
「あそこに……」
彼女が指さす方向には、灰色の作業着の男性が缶コーヒーを飲んでくつろいでいる。
「分かったありがとう! 志集売るの頑張ってね!」
彼女が指さした作業着の男性の元にシェリングが向かっていった後、彼女に近づく者が居た。
「ちょっといいかな、今しがた、彼とどんな話をしていたの?」
彼女は、シェリングとの会話内容を、その者に教えた。
「ふむふむ分かったよ、ありがとうね」
その者もまた、彼女の元から離れ、雑踏の中でひっそりと呟(つぶや)いた。
「この駅に危険が迫ってると判断すべきか」
「ありきたりな理由を挙げるとすれば……」
「駅に危険物が仕掛けられている」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171 -
……19:34
「あ! あなたは」
「ん? ああ、あの時の」
彼女に教えてもらった作業着の男性は、行きの列車で出会った乗客の1人、ハバード・ミルラスだった。
「確かあなたは自動車整備の仕事をしてると言ってましたよね?」
「そうだけど」
「人に聞いたのですが、このショーウィンドウの中の飾り付けをしていたと」
「これはバイト。本業は自動車整備」
「なるほど。って言ってる場合じゃないんです、ちょっと確認をしてください!」
「なにを? なんで?」
怪盗バリアス・ボムこと、ニュークリアと顔見知りな彼には、余計な事は言わずに
駅に危険物が仕掛けられた事と、それゆえの確認が必要だと説明した。
「ここ開けて危険物が混ざってないか見ろって事?」
「本当にお願いします、もしあれば大変な事になるんです」
「俺、マネキンとか宝石とか置物とかを飾る時に触ったけど普通だったけどな」
「可能性はゼロじゃないんです、あなたが目を放した隙とかに」
「終わったからさっさとバイトあがりたいんだ…この気持ち分かるだろう?」
「この確認が危機回避に繋がるかもしれないんです! お願いします!」
「はぁー……分かった」
「更にすいませんが“急ぎで”お願いしますね! 私は他を見に行きますので!」
必死の思いは通じた。彼の協力を無駄にしないためにも次の情報を集めよう。
この時、私は背後から近づく者の存在に気づかなかった。
私はそいつに毒薬を飲まされ、目が覚めたら……なんてのは別の探偵の話。
私は肩を捕まれ呼び止められた。
「ちょっと君、待ちたまえ」
たまにブログを更新するくらいしかhttps://twitter.com/GURALOID
MYブログhttp://blog.livedoor.jp/guraroido/
You Tubeで動画上げてます。チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。 http://www.youtube.com/channel/UCIZF4CBsXR5SEFlAM1ARZjQ
スマブラX掲示板http://jbbs.livedoor.jp/game/43171