炎上(えんじょう、英: Online shaming)とは、不祥事の発覚や失言などとネット上に判断されたことをきっかけに、非難が殺到し収拾が付かなくなっている事態または状況を差す。
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特徴 編集
炎上のほとんどは、リンクされた引用元の記事をきちんと読まずに「タイトルだけ読んでコメント」という脊髄反射的な感情的な投稿の連鎖によって起き、全国の普通の人も参加して延焼する構図になっている。そのため、アメリカの調査でもTwitter・FacebookなどSNS利用者でタイトルだけ見て、リツイートなど拡散・コメント投稿をする者が約60%を越えていて、国民の情報リテラシーの低さが社会問題になっている。
日本でも虚構新聞をタイトルを見ただけで事実と信じて拡散したり、SNSなどインターネット上で、リンク先の元記事を読まずに情報源(ソース)の内容・正確性を確認でしない人が多いことが問題になっている。更に、記事の中身には違うことを誤解・ミスリードを助長する炎上タイトルで記事で受け答えしていた発言者の発言内容が歪曲されたことで炎上が起きることもあることから、アクセス稼ぎなどの理由で釣りや煽るタイトルをつけるマスメディアに対しても批判の声がある[1][2][3]。
また文化庁が発表した「平成28年度版 国語に関する世論調査」でネット炎上に参加する意志があるのは2.8%という結果であった[4]。
田代光輝は炎上を「サイト管理者の想定を大幅に超え、非難・批判・誹謗・中傷などのコメントやトラックバックが殺到することである(サイト管理者や利用者が企図したものは「釣り」と呼ばれる)」と定義している[5]。
概説 編集
ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)内の日記は、別途設定をしない限り、誰でもコメント欄にメッセージを残すことができる。ブログ執筆者の言動に反応し、多数の閲覧者がコメントを集中的に寄せる状態を炎上と表現する。この時、コメントにはサイト管理者側の立場に対する賛否の両方が含まれていたとしても、否定的な意見の方をより多く包含するものを炎上とし、応援などの肯定的な投稿だけが殺到するものは普通は炎上とは呼ばない[6]。憲法学者キャス・サンスティーンは、個人がインターネット上で自分自身の欲望の赴くままに振る舞った結果、極端な行動や主張に行き着いてしまうという現象をサイバーカスケードと呼んでおり、炎上もこの現れ