ワザップ!フォーラム
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第39章 「聖空の祭壇 Part1」
ユースたちは、聖空の祭壇に辿り着いた。
ユース「ここが... 『聖空の祭壇』か...」
無数の浮島が、虹の橋で繋がっている。
ピット「パルテナ様はどこに...」
ユース「とりあえず、虹の橋を渡ってみよう。」
ユースたちは、虹の橋を渡り、別の島に移った。
ユース「あの真ん中の大きな神殿のある島...
あそこにパルテナ様がいるんじゃないかな?」
ピット「よし!
行ってみよう。」
ユース「ピット! 魔物が来る!」
ピット「またか...
ユース、さっさと片付けちゃおう!」
ユースたちは、再び魔物をさばき始めた。
ユース「こいつら、いくらでも出てくる!
これじゃ、キリがない!」
ピット「中央の島まで、もう少しだ!
逃げるぞ!」
ピットは、走り出した。
ユースも、そのあとを追った。
To Be Continued
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第40章 「聖空の祭壇 Part2」
ピット「走れ!
ユース! 中央の島まで走るんだ!」
ユース「魔物が追いかけて来る!」
次の瞬間、魔物の攻撃がユースとピットの間の足場を破壊した。
ピット「ユースッ!」
ユース「くそぉ... どうしよう...」
その時、声が響いた。
ランディ「何や、えらい手こずっとるようやな。
しゃーないなあ...
これで、どうや?」
足場の崩れた場所に、新たな足場ができた。
ユース「ランディさん!
ありがとう!」
ユースは新たな足場を使って、ピットと合流した。
ランディ「だから、名前で呼ばれたら...
照れるやん...
よっしゃー!!
サービスや!
そこの魔物軍団、わてがボッコボコにしたる。
よ〜、見ときや。」
何と、離れた場所にある浮島が2つ、動いてきて、魔物を挟み込んだ。
ランディ「どや?
魔物のサンドイッチや。
他の奴らも、わてが片付けたるさかいに、早よパルテナを助けたりや。」
ピット「ランディさん、ありがとう!
ユース、行こ!」
ユースたちは、やがて中央の島の神殿に辿り着いた。
ユースたちは、その中に入って行った。
To Be Continued
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第41章 「謎の人物」
ピット「パルテナ様!」
パルテナは部屋の奥で、眠らされていた。
ピットは、すぐにパルテナに歩み寄った。
ピット「パルテナ様! ご無事ですか?」
パルテナ「...うーん...ピット...」
ピット「ああ、パルテナ様!」
その時、ピットの背後で声がした。
ピットは振り返った。
先ほどのフードの人物が、空中でたたずんでいた。
???「良かったね、ピット君。
大好きなパルテナ様に会えて...」
ピット「パルテナ様に何をした!?」
???「別に何もしてないよ...
ただ、眠らせただけさ...」
謎の人物は、ユースに目をやった。
???「ユース君。キミもかなり強くなったようだね...
ボクが海王宮やアステナラインに魔物を投入したおかげかな?」
ユース「何だって!?
お前が、ノルマリンやセルゲノムを投入したのか!?」
???「そうだよ...
勇者になったキミを鍛えるために...
そして、キミのチカラを試すために...
でも、今回はボクが直々にキミと戦ってやるよ...
ユース君、キミがどれくらい強くなったのか、ボクも知りたいしね...」
謎の人物が、じりじりとユースに歩み寄る。
ユースは、剣を構えた。
パルテナ「ピット! 私は大丈夫です。
早くあの青い少年を援護してあげなさい!」
ピット「分かりました!」
ピットは、素早くユースに近づき、加勢しようとした。
???「ピット君、今回はキミの出番はナシだ...
ボクとユース君の戦いを、じっくりと見ていてくれ...」
謎の人物はそう言って、懐から一本の杖を出した。
ピット「その杖は!?
まさか... 『アルカディアの錫杖』!?」
???「その通り!
...では、ピット君...
しばらく黙っていてもらえるかな?」
謎の人物は、アルカディアの錫杖を振り上げた。
と同時に、床から無数の結晶体が現れ、ピットとユースの間を隔てた。
ピット「くそぉ...
これじゃ、ユースを援護できない...」
謎の人物は、ユースに向き直った。
そして、こう呟いた。
???「さあ、ユース君。
ショータイムだ!」
To Be Continued
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第42章 「VS ??? Part1」
謎の人物は、いきなりユースに向かって、稲妻を打ち出した。
ユース「うわっ!」
ユースは、危ういながらも、それをかわした。
???「ユース君、さすがにこの程度の攻撃は回避できるみたいだね...
では、これはどうかな!」
謎の人物は、アルカディアの錫杖を振り上げ、床から無数の結晶体を出現させた。
ユースは回避するが、結晶体はユースをしつこく追跡する。
セラ「ちょっと、ユース!
あんた、この結晶体に完全に包囲されているわよ!」
ユース「しまった!」
???「スキあり!」
謎の人物は、真上からユース目がけて、雷を大量に放った。
ユース「うわあぁぁぁ!」
雷は全て、ユースに命中した。
ユースは、床に倒れ込んだ。
セラ「ユースッ!」
ユース「うぅぅ... 身体がしびれて動かない...」
???「何だ...
やっぱり、この程度か...
そろそろトドメを刺してやるよ。」
謎の人物は、杖を振り上げた。
To Be Continued
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第43章 「VS ??? Part2」
謎の人物が、アルカディアの錫杖を振り上げると同時に、ピットが結晶体を破壊した。
ピット「やめろーっ!!」
ピットは、そのまま謎の人物にダッシュ射撃を放った。
矢が見事に、謎の人物に命中する。
???「うっ!
さすが、ピット君だな。
冥府神ハデスを討伐しただけのことはある...
命拾いしたな、ユース君...
だが、戦闘はここまでだ。」
ユース「えっ?」
???「ユース君、キミに死なれると、いろいろ困るんだ...
キミにはもっと頑張ってもらわないと...」
ユース「どういう意味だ?」
???「いずれ分かる。
サラバだ! また会おう!」
謎の人物は、どこかに飛び去った。
ユース「なっ、待てーっ!!」
ピット「何だったんだ? あいつ...」
その時、パルテナがユースに声をかけた。
パルテナ「『ユース』と言いましたね。
こちらに来なさい。」
ユース「何ですか?」
パルテナ「あなたが持っている、その剣は『勇者の聖剣』ですね。
私は、あなたのような勇者が現れるのを待っていました。」
ユース「ということは...」
パルテナ「はい。私は『光の賢者』です。」
ピット「えっ? えぇぇぇっ!?」
To Be Continued
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第44章 「光の賢者」
ピット「パルテナ様も、八賢者のひとりだったんですか!?」
パルテナ「そうですよ。
ピット、そんなに驚くほどのことですか?」
ピット「いえ、あまりに突然のことだったので、つい...」
パルテナ「何はともあれ、ユース君のおかげで『光の賢者』として目覚めることができました。
ユース君、光の賢者を覚醒させた証として、この『光のオーブ』を進呈します。」
ユース「ありがとうございます!
あと、普通に『ユース』って呼んでくれていいですよ。」
パルテナ「そうですか?
では、ユース。
あなたが目覚めさせた賢者は、私でちょうど4人目...
あなたはもう既に、八賢者のうちの半分を目覚めさせてくれました。
残る賢者は、おそらく、
『炎の賢者』
『氷の賢者』
『闇の賢者』
『雷の賢者』
の4人ですね。」
ピット「パルテナ様、残りの賢者のこと、知ってるんですか?」
パルテナ「いえ。賢者が眠る場所の名前から、何となく想像してみただけです。」
ピット「なるほど...」
ユース「次はどこへ向かえばいいんですか?」
パルテナ「そうですね...
今のあなたの実力なら...」
パルテナが、言い終わる前に、何とユースが倒れた。
ピット「ユース! 大丈夫か!?」
ピットは、すぐにユースの近くに歩み寄った。
セラ「もしかして、さっきの雷攻撃...?
相当なダメージを受けてたんじゃない?」
ピット「何だって!?」
パルテナ「一度、エンジェランドに戻りましょう。
そこで、ゆっくり治療すれば大丈夫です。
では、転送!」
ピットたちは、パルテナとともにエンジェランドに戻った。
To Be Continued
???「ちょっと、やり過ぎちゃったかな?
ユース君の戦闘力は、少々期待外れだったけど...
あの雷攻撃をまともにくらって、立っていられるとはね...
やっぱり、ユース君には頑張ってもらわないと...
彼は、ボクの計画の成否を決める『カギ』を握っているのだから...
クククッ...」
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第45章 「アルカディアの錫杖 Part1」
ピットたちは、気を失ったユースを、パルテナの神殿の内部にある医務室に運んだ。
イカロス「ユース殿の治療は、我々にお任せを!」
ピット「ああ、頼んだよ、イカロス。」
ピットは、医務室をあとにした。
そして、パルテナのところに戻った。
パルテナ「ピット、あなたに言っておきたいことがあります。」
ピット「何ですか?」
パルテナ「あの『黒マントの者』についてです。」
ピット「あっ、そういえばあの人...
『アルカディアの錫杖』を持っていましたね。
でも、どうして...?
あの杖はカオスネビュラとの決戦のあと、危険過ぎるという理由で、この神殿に保管されていたはずなのに...」
パルテナ「おそらく、あの者の狙いは『アルカディアの錫杖』...
もう一度、あの杖について調べる必要がありそうですね...」
To Be Continued
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第46章 「アルカディアの錫杖 Part2」
ピット「そういえば、どうしてパルテナ様は『聖空の祭壇』に連れ去られたんですか?」
パルテナ「私が、あの者がアルカディアの錫杖を盗み出すところを見てしまったからだとは思いますが、何故『聖空の祭壇』に連れ去ったのかは分からないですね...」
ピット「そうですか...」
ユース「...2人で、何を話しているんだ...」
ピット「ユース! 傷はもう大丈夫なのか?」
ユース「オレは大丈夫...
ピット、ありがとうな...」
ピット「どういたしまして。
本当に傷は大丈夫なの?
かなり辛そうだけど...」
その時、部屋にイカロスが飛び込んできた。
イカロス「ユース殿! いけませんぞ!
まだ、あなたは傷が完全に癒えていないのですぞ!
無理に動いたら、傷がもっと深くなってしまいますぞ!」
ユース「...」
ピット「ユース... 分かった。
じゃあ、医務室で話の続きをしよう。」
パルテナ「それは名案ですね。
早速、行きましょう。
ユース、歩けますか?」
ユース「大丈夫です。
...ごめんなさい...」
パルテナ「いえいえ...
では、早速行きましょうか。」
ユースたちは、医務室に向かった。
To Be Continued
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第47章 「アルカディアの錫杖 Part3」
セラ「ユース! あんた、自分が今どういう状態なのか分かってるの!?
ちゃんと寝てないとダメじゃない。」
ユース「ごめん…」
パルテナ「では、話の続きをしましょうか。」
ユース「ちょっと待って!
今まで何の話をしていたの?」
パルテナ「あの黒マントの人が持っていた杖についてです。」
ユース「あの雷を飛ばしてきた杖のことですか?」
パルテナ「そうです。
あの杖の名は『アルカディアの錫杖』…
かつて『魔神王 カオスネビュラ』を討伐する際に、使用した杖です。」
ユース「あの杖…
そんな伝説の品物だったんですか!?」
パルテナ「そうですよ。
あの杖の持つ魔力は強大過ぎるが故に、カオスネビュラとの決戦のあと、私がこの神殿に封印しました。
しかし、あの黒マントの人はその封印を解き、杖を我がものにしてしまいました。
私はその光景を目撃してしまったのです。」
ユース「だから、連れ去られた…
口封じのために…」
パルテナ「しかし、何故『聖空の祭壇』に私を連れ去ったのかは分かりません。」
ユース「そうですか…」
パルテナ「ところで、改めてあの杖を見たら、私はあることに気付いたのですが…」
ピット「と言いますと…」
パルテナ「アルカディアの錫杖には、赤い宝玉がひとつ付いていましたね。」
ユース「言われてみれば、確かに…」
パルテナ「あの赤い宝玉の下の方に2つ、同じくらいの大きさの宝玉をはめられそうなリングが付いていました。」
ユース「あつ、確かに…
じゃあ、あそこに残り2つの宝玉をはめれば…」
パルテナ「そういうことです。
宝玉がひとつだけでも、あの強さですから、万一残り2つの宝玉があったとして、それらが揃ってしまうと大変なことになります。」
ユース「じゃあ、あいつより先に宝玉を手に入れなくちゃ!」
パルテナ「しかし、宝玉の手掛かりは残念ながら、ありません…
ユース、あなたは、まずは八賢者の覚醒に専念すると良いでしょう。
宝玉に関しては、アルカディアの錫杖の再調査も含めて、私が調べておきます。」
ユース「ありがとうございます。」
パルテナ「ユース、あなたはもうしばらく、傷が完全に癒えるまで休んでいなさい。」
ユース「はい。」
ユースは、布団にくるまり、静かに眠りについた。
To Be Continued
???「ヤバイな…
パルテナ、鋭すぎだろ…
こうなったら、パルテナが宝玉の謎を解明するより早く、ユース君にテラセウスを倒してもらわなくちゃ…」
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第48章 「魔界の創造主」
声が聞こえる…
ユースは辺りを見回すが、誰もいない。
ユースの周囲は、暗闇で覆われていた。
???「勇者ユース…
我を復活させた張本人…」
ユース「誰だ!
何故オレが、『お前を復活させた張本人』なんだ!?」
???「我は『魔界』の創造主…
我が魂の解放は、お前のチカラがあってこそのもの…
だが、我がチカラはまだ完全ではない…
我がチカラは『勇者の魂』、すなわち『お前の魂』をもって完全に復活する…
どうだ?
我とお前が組めば、敵はなしに等しい…
我と手を組み、共にこの世界の全てを魔に染め上げようではないか…」
ユース「フン!
魔界の創造主だか何だか知らないけど…
オレは『この世界の全てを魔に染め上げる気』なんて、さらさらないね!
お断りだ!」
???「そうか…
残念だ…
お前とは、良いタッグが組めると思ったが…
お前がその気なら、仕方が無い…」
魔界の創造主は、間を置いて続けた。
???「では、我とお前は『敵同士』だ…
我はチカラを完全復活させるために、『ユース』、お前の魂が欲しい…
悪いが、チカラずくでも、お前の魂をいただく…」
魔界の創造主は、初めて姿を現した。
だが、肉体がなく、禍々しいオーラだけが、漂っていた。
禍々しいオーラは、いきなりユースに襲いかかった。
ユースは剣で斬りつけるが、全く通用しない。
ユース「なっ! 来るな! やめろーっ!」
???「我が名は『魔界創神 ザ…ノス』…
この世…の…を、…に…げ、…を…く…なり!
今…、我が…を完…さ…てく…よ…」
魔界の創造主の言葉は、途中からは何を言っているのか、分からなかった。
ユース「うわぁぁぁぁーっ!!」
To Be Continued
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第49章 「悪夢」
ユース「はっ!」
ユースが目覚めると、そこは医務室のベッドだった。
ピット「大丈夫?
だいぶ、うなされてたみたいだけど…」
ユース「オレは…大丈夫…
それより、変な夢を見たんだ。」
ピット「どんな夢?」
ユース「夢の中で、『魔界の創造主』を名乗る変な奴が、オレに襲いかかって来たんだ。」
ピット「随分と怖い夢だね…
一応、パルテナ様に話しておこうか。
パルテナ様なら、何か知ってるかも…」
ユース「ああ、そうだな…」
ピット「パルテナ様〜」
パルテナ「どうかしましたか?」
ピット「ユースが変な悪夢を見たそうです。
何でも、『魔界の創造主』っていう奴が出てきて、ユースに襲いかかったとか…
そうだよね、ユース?」
ユース「…うん…」
パルテナ「…!」
ピット「パルテナ様?
何か知ってるのですか?」
パルテナ「はい…
ユース、あなたに襲いかかった『魔界の創造主』は、『魔界創神 ザンギノス』と名乗りませんでしたか?」
ユース「うーん、そこのところが、よく聞こえなかったからな〜
でも、確か『魔界創神』って、名乗ってたような気がします。」
パルテナ「ユース、警戒なさい。
あなたが、そのような夢を見たのは、偶然ではないかもしれません。
『魔界創神 ザンギノス』は、いわば『全ての魔物の創造主』…
冥府神ハデスも、彼が創造したと言われています。
しかし、大昔に勇者に倒され、肉体は滅びたと聞きます。
そのため、現在は、仮に存在したとしても、魂だけの状態になっていると思います。」
ユース「そういえば…
オレの魂で、チカラが完全復活する、とか言ってたな…」
パルテナ「…!
ユース、ならば、より一層警戒なさい。
あなたは間違いなく、狙われています。」
ユース「分かりました。」
パルテナ「傷はもう大丈夫ですか?」
ユース「はい、大丈夫です。」
パルテナ「では、あなたはこの後、『グレイスバーグ』に向かいなさい。
凍てつく氷に覆われた、極寒の大地です。
かつて、あの地に繁栄を築いた『グレイス』なら、『氷の賢者』について、何か知っているかもしれません。」
ユース「分かりました。
早速、向かいます。」
パルテナ「私が、あなた達に『耐寒の奇跡』をかけます。
これであなた達は、寒さを気にせず、探索できるでしょう。」
ユース「ありがとうございます。」
パルテナ「では、転送!」
ユースたちは、光に包まれた。
To Be Continued
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第50章 「グレイスバーグ Part1」
ユースが目を開くと、周囲には一面の銀世界が広がっていた。
セラ「あんたたち、見ているだけで寒いんだけど…
本当に寒くないの? その格好で…」
ユース「あっ、そういえば寒くないな…」
ピット「パルテナ様の奇跡のおかげだよ。」
パルテナ「ユース、そこから先にある『グレイスキャンプ』という街に向かいなさい。
そこに手掛かりがあるでしょう。」
ユース「分かりました。」
ユースたちは、歩き出した。
やがて、数十分が経過した。
ユース「あれかな?」
ユースが指差した方向に、街があった。
ピット「あれだ。行ってみよう。」
ユースたちは、街に入って行った。
???「『グレイスキャンプ』へようこそ!」
突然、声をかけられた。
ユースたちが振り向くと、そこには水色の髪をした少年が立っていた。
???「ボクは『テル』。
キミたち、この辺りでは見ない顔だね。
どこから来たの?」
ユース「オレは『ユース』。
えぇっと、どこから来たのかと聞かれると…
話せば長くなるけど…」
セラ「私は『セラ』。
まあ、ユースの案内役ってところかな。」
ピット「ボクは『ピット』。
ユースは『勇者』なんだ。」
テル「えぇぇっ!
そういえば、さっきから気になってたけど…
2人とも凄く薄着だし、ピット君には翼があるし…
それに『可愛い妖精さん』まで、連れている…」
セラ「やだ、私のこと『可愛い』だなんて…」
テル「うん、すごく可愛いよ。」
セラ「あら、嬉しい…
テル君、あなた男の子だけど、かなり可愛いわよ。」
テル「えっ、そっ、そうかな?
そういえば、ユース君は勇者なんだよね?
じゃあ、やっぱあれを持ってるの?」
ユース「もしかして、これのこと?」
ユースは、勇者の聖剣をテルに見せた。
テル「やっぱり、持ってるんだね。
ユース君、本当に勇者なんだ…
ここじゃ、何だし、ボクの家に案内するよ。
ついて来て。」
ユースたちは、テルについて行った。
To Be Continued
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第51章 「グレイスバーグ Part2」
テルは一軒のログハウスの前で、立ち止まった。
テル「ここが、ボクの家だよ。」
ユース「結構大きい家だね。」
テル「ありがとう。
入って。」
ログハウスの中は、とても暖かかった。
テル「自由にくつろいでいいよ。
今、お茶を入れるから。」
セラ「あったかい…
癒されるわ…」
数分後、テルがお茶を持って、戻ってきた。
テル「これ、飲んでみて。
あったまるよ。」
ユース・ピット・セラ
「美味しい! しかも、あったまる…」
テル「でしょ?
ところで、キミたちは、何でここに来たの?」
ユース「ああ。『氷の賢者』を探してるんだけど…
『グレイス』っていう人を知ってる?」
テル「『グレイス』だって!?
それ、ボクのお婆ちゃんの名前だよ。
ボクのお婆ちゃん、『氷の賢者』だったんだ…
…でも、2ヶ月前に死んじゃったんだ…」
ユース「ごめん、辛いこと、思い出させちゃったね…
でも、どうしよう…」
テル「謝ることないよ、ユース君。」
ピット「テル君、お母さんはどこに行ったの?」
テル「お母さんもね、ボクが生まれてすぐに死んじゃったんだ…
だから、ボク、お母さんのこと、よく知らないの…」
ピット「ごめん、ボクも変なこと、聞いちゃったね…」
テル「ううん、大丈夫。
ボクには、お父さんがいるし、この街の人はみんないい人だから…」
その時、パルテナの声が響いた。
テルには、聞こえていないようだ。
パルテナ「テル君、辛いのを我慢しているんですね…
しかし、困りましたね…
『氷の賢者』がいないとなると、どうすれば…」
パルテナは、少し考え込んだ。
パルテナ「そうよ!
ユース、テル君を『セレティーナ聖堂』に連れて行きなさい。
テル君は、グレイスの血を引いています。
上手くいけば、テル君を『氷の賢者』として、目覚めさせられるかもしれません。」
ユース「なるほど!
分かりました!
ところで、『セレティーナ聖堂』って、どこですか?」
パルテナ「その深い雪山の山頂付近にあります。
かつて、『氷の賢者』が、自らのチカラを高めるために修業をしたと言われる場所です。
私のチカラで、直接転送してあげましょう。」
ユース「ありがとうございます!」
ユース「テル君、来て。」
テル「何? 今、誰と話していたの?」
ユース「『パルテナ様』って、知ってる?」
テル「知ってるよ。『光の女神様』でしょ?」
ユース「今、パルテナ様と話していたんだ。
テル君、キミはグレイスさんの血を引いている。
だから、キミが新たな『氷の賢者』になるんだ。」
テル「えぇぇー!
そんな、ボクにはそんなこと、できないよ…」
ユース「大丈夫、キミならできる!」
ピット「そうだよ、テル君ならできるよ。」
テル「ありがとう。
ボク、頑張ってみるよ。」
パルテナ「話は決まったようですね。
では、転送!」
To Be Continued
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第52章 「セレティーナ聖堂 Part1」
ユース「ここが『セレティーナ聖堂』か…」
ユースたちの先には、氷に閉ざされた巨大な建造物が建っていた。
ユース「中に入ってみようか。」
ユースたちは、セレティーナ聖堂の中に入って行った。
テル「中はかなり広いね。」
ユース「寒くないか?」
テル「うん、ありがとう。
キミたちも、その格好で寒くないの?」
ユース「オレたちは、『耐寒の奇跡』に守られているから、大丈夫。」
ピット「あそこに、上に上がれそうな階段があるよ。
行ってみよう。」
ユース「2階に来たけど…
随分と静かだな…」
その時、ユースたちの背後で物音がした。
ユースたちは、振り返ると、そこには大量の魔物がいた。
ユース「えっ!? 魔物?
さっきまで、気配すらなかったのに…」
ピット「数が多いな…
ユース! 何としても、テル君を守るんだ!
行くぞ!」
ユース「おう!」
To Be Continued
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第53章 「セレティーナ聖堂 Part2」
ユースはアマテラスエナジーを、ピットは神弓を放った。
ユース「くそっ! 数が多すぎる!
ピット、テル、逃げるぞ!」
ピット・テル「分かった!」
ユースたちは、走り出した。
やがて、ユースたちの前に、大きな扉が現れた。
ユース「あそこに飛び込め!」
ユースたちは、大扉の中に飛び込み、すぐに扉を閉めた。
ユース「ふぅ… これで一安心だな…」
…ドシン…ドシン…
大きな物音が、部屋中に響き渡る。
ピット「何の音だろう?」
セラ「いやな予感が…」
次の瞬間、ユースたちの目の前に、巨大な猿のような魔物が姿を現した。
ユース「何だ!? こいつは!?」
魔物は、ユースたちに襲いかかった。
To Be Continued
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第54章 「VS 氷塊魔獣 ヒヒブロス Part1」
魔物は、いきなりユースに向かって、氷の塊を投げつけた。
ユース「うわっ!」
ユースは、ギリギリでそれをかわしたが、魔物は新たな氷塊を作り、それをユースに向かって投げつけようとした。
ピット「ユース! 危ない!」
ユースは、即座に反応して、それをかわした。
ユース「くそっ! これじゃ、攻撃できない!
セラ、サーチを頼む!」
セラ「了解!
注目対象は『氷塊魔獣 ヒヒブロス』。
どうやら、ここセレティーナ聖堂に巣食う魔物たちのボスのようね。
HPは、72000よ。
こいつ、図体がでかいわりに、動きが速いから注意して。
ここは寒いから、相手を燃やせるアマテラスエナジーが有効なんじゃないかしら?
あっ、でも、窓が分厚い氷で閉ざされているから、アマテラスエナジーは出せないわね…」
ピット「こいつ、何でユースばかり狙うんだ?」
セラ「言われてみれば…
何故かしら?」
その時、ヒヒブロスがユースに向かって、特大の氷塊を投げつけた。
ユースは、それを回避した。
氷塊は、ユースの背後の分厚い氷に衝突して、氷にヒビが入った。
氷のヒビから、わずかながら、光が漏れる。
ピット「そうだ! いいことを思いついたぞ!
ユース、しばらくの間、耐えてくれ!」
To Be Continued
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第55章 「VS 氷塊魔獣 ヒヒブロス Part2」
ピットは、壁の分厚い氷を攻撃し始めた。
氷のヒビが、徐々に大きくなっていく。
ピット「これで、どうだ!」
ピットは、氷に渾身の一撃を放った。
凄まじい轟音とともに壁の氷が崩れ落ち、外から太陽光が降り注いだ。
ピット「今だ! ユース、アマテラスエナジーを!」
ユース「分かった!」
ユースは、剣を真上に掲げた。
その時、ヒヒブロスがユースに掴みかかった。
ヒヒブロスは、持ち前の怪力で、ユースを握り潰そうとする。
ユース「うわぁぁぁっ!!」
セラ「ユースッ!」
ピット「ユースを放せっ!」
ピットは、ヒヒブロスの腕を神弓で撃ち抜いた。
ヒヒブロスは、悲鳴を上げる。
ユース「うぅ… ヒヒブロスの締め付けが、ちょっとだけ緩んだ…
これでも、くらえ!」
ユースは、剣を振った。
炎の刃は、ヒヒブロスを跡形もなく、溶かし去った。
ユース「やった…」
そう言うと同時に、ユースは片膝をついた。
ピット「ユース! 大丈夫か?」
ユース「オレは大丈夫…」
テル「2人ともスゴイよ!
あんなに凶暴なヤツを、やっつけちゃうなんて…」
ユース「ありがとう。
さあ、テル君、賢者の間に行こうか。」
ユースたちは、氷の部屋をあとにした。
To Be Continued
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第56章 「氷の賢者」
ユースたちは、賢者の間に入った。
部屋の中央に、祭壇がある。
テル「何だろう?
この部屋、何だか落ち着く…」
テルは、祭壇に上がった。
やがて、テルの身体が輝き出した。
テルの右手に、水色の透き通った球体が生成された。
テル「これは…」
ユース「テル君、やったよ!
キミは、『氷の賢者』として、覚醒したんだ。
その『氷のオーブ』が、最大の証拠だ…」
テル「ボ、ボクも、やればできるんだ…
ありがとう、ユース君、ピット君…
キミたちのおかげで、ボクは『氷の賢者』として目覚めることができました。
その証として、この『氷のオーブ』を進呈します。」
テルは、氷のオーブをユースに差し出した。
ユース「ありがとう、『氷の賢者様』。」
セラ「じゃあ、これからどうする?」
その時、パルテナの声が響いた。
パルテナ「大成功ですね。
『氷の賢者』のチカラがあれば、『グランデラ火山』を攻略できるでしょう。」
ユース「『グランデラ火山』…?」
パルテナ「はい、『グランデラ火山』です。
人間が近付くことは、到底かなわない灼熱の山ですが、氷の賢者のチカラがあれば、それも可能です。
実は、私の『冷却の奇跡』でも冷やしきれないほどの、超高温地帯なのです。
ですから、冷却の専門家とも言える、氷の賢者様のチカラを借りようと思いまして…」
ユース「なるほど…」
テル「もしかして、今のがパルテナ様の声?
ボクにも聞こえたよ。」
パルテナ「賢者として、目覚めたからですね。
テル君、あなたのチカラが必要です。
協力して下さい。」
テル「もちろんです。
ボク、頑張ります!」
パルテナ「ありがとう。
しかし、ユースもピットも疲れているでしょう?
ここは、一度、エンジェランドに戻ってきなさい。
テル君も、一緒にどうですか?」
テル「いいのですか?」
パルテナ「はい、もちろんです。」
テル「じゃあ、ボクもお願いします。」
パルテナ「分かりました。では、転送!」
To Be Continued
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第57章 「幼き日の記憶 Part1」
テル「ここが『エンジェランド』?
スゴイ! キレイなところだね!」
ピット「喜んでもらえて嬉しいよ。
パルテナ様の神殿に行こうか。」
ユースたちは、パルテナの神殿を目指して、歩き出した。
ー数時間後、ベッドルームにて…
テル「ねぇ、ユース君には、お母さんやお父さんはいるの?」
ユース「…」
テル「ユース君…!?」
ユースは、少し戸惑い…
ーそして、首を横に振った。
テル「えっ!?」
ユース「…いないんだ…
オレが3歳の時、母さんは亡くなったし、父さんは未だに行方不明だ…
あれは忘れもしない…
10年前の、真夏のある日のことだった…」
ユースは、静かに話し始めた。
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第58章 「幼き日の記憶 Part2」
ーエンジェル暦 3005年7月15日…
幼稚園児「せんせい、さようなら!」
先生「はーい、また明日!」
ローゼタウンの幼稚園に、園児たちの元気な声が響いた。
その中に、幼き日の…
3歳のユースの姿があった。
ジャック「ユース!
また明日、一緒に''かくれんぼ''しよ!」
ユース「うん!
じゃあ、また明日、ジャック!」
ジャックは幼き日よりの、ユースの『親友』である。
ジャックは、迎えに来ていた母親と一緒に、先に帰って行った。
ーユースは、あることが気になっていた。
いつもは迎えに来ているはずの、母親の姿が見当たらない…
ユースの母親は、1時間経っても姿を現さなかった。
ユース「先生、ママ、まだ来ないの?」
先生「ユース君のお母さん、遅いわね…
いつもは、きちんと時間通りに来てくれるんだけど…
何かあったのかしら?」
数分が経過したが、ユースの母親はまだ現れない。
先生「ユース君、今日はもう遅いから、先生が家まで送ってあげるわ。」
先生はそう言って、ユースを自分の車に乗せた。
数分後、ユースは家に到着した。
先生「ユース君、あとはひとりでも大丈夫?」
ユース「うん。大丈夫だよ。
先生、ありがとう。」
先生「どういたしまして。
ユース君、さようなら。
じゃあ、また、明日。」
ユース「うん。
先生、さようなら。」
ユースは、先生と別れの挨拶を交わしたあと、自宅に入った。
To Be Continued