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まえがき
前作「新・光神話 パルテナの鏡 エピソードZERO」は、愛読してくださった方々に大変好評をいただきました。
誠にありがとうございます。
今回、新たなネタを思いつきましたので、再び執筆したいと思います。
今作は、前作の「新・光神話 パルテナの鏡 エピソードZERO」の続編にあたりますので、まだ前作を読んでいない方は、先にそちらを読むことを推奨します。
下記リンクから、移動できます。
新・光神話 パルテナの鏡 エピソードZERO
なお、小説中に『ユース・グリンホルン』という名の少年が登場します。
(↑ユース・グリンホルンです。)
彼は「バトルスピリッツ ブレイヴ」というアニメに登場したキャラクターですが、あくまでも名前のみの引用となります。
今作のユースは、アニメ「バトルスピリッツ ブレイヴ」とは、何の接点もありません。
もちろん、盗作でもありません。
また、前作に引き続き『新・光神話 パルテナの鏡』の登場人物も引用させていただきました。
ストーリーは『新・光神話 パルテナの鏡』に絡んだものであるため、一部その内容が混じることがありますが、基本的に全てオリジナルストーリーです。
少々ネタバレになってしまうところもあるかもしれませんが、『新・光神話 パルテナの鏡』の内容を丸写しすることは、決して致しません。
その点をご理解いただけますよう、よろしくお願いします。
また、この小説はフィクションです。
実在する人物・団体とは、一切関係がありません。
この点も、ご理解下さい。
また『新・光神話 パルテナの鏡』を知らない方でも楽しんでいただけるよう、努めてまいります。
よろしくお願いします。
では『Brave・Quest』(ブレイブ・クエスト)を、お楽しみ下さい。
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『Brave・Quest』
プロローグ
ひとりの男が、コンピュータルームにある多数のパソコンのうちの、一台のパソコンの前で立ち止まった。
???「これ…だな…」
男は、パソコンを起動した。
???「よし。
ここを、こうして、こうすれば…」
男は、パソコンをいじり始めた。
???「よし、『ハッキング成功』だ。」
パソコンの画面に、文字が表示される。
ーWelcome to be 『A.F.T. NETWORK』ー
(『A.F.T.ネットワーク』にようこそ)
男は、A.F.T.ネットワークの事件ファイルを、片っ端から調べ始めた。
やがて、男の目は、ひとつのあるファイルに止まった。
ー『Brave・Quest』
The Legend of Youth・Grinhornー
(『ブレイブ・クエスト』
ユース・グリンホルンの伝説)
???「あった…」
男は、おもむろにファイルを開いた。
ファイルの前文には、次のように書かれていた。
A.F.T.社(アルカディア・フォース・テクノロジー社)...
かつて世界を震撼させた極悪企業...
その企業帝国A.F.T.の野望は、ひとりの『天使』と、ひとりの『少年』によって打ち砕かれた。
ーだが、A.F.T.と戦ったのは『ピット』と『シュウ』だけではなかった。
A.F.T.社を裏で操っていた『真の黒幕』...
果敢にもA.F.T.に立ち向かった『ひとりの少年』...
ーこれは「エピソードZERO」で語られなかった事件の真相が明らかになる『禁断のファイル』...
そして、数奇なる運命に導かれ、A.F.T.と勇敢に戦った少年『ユース・グリンホルン』の物語である。
男は、ファイルの次のページを開いた。
To Be Continued
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第1章 「陽だまりの中で...」
エンジェル暦 3015年8月11日
炭鉱の村ローゼタウンは、夏休み中の子供たちで賑わっていた。
蝉の鳴き声が、自然の豊かさを醸し出している。
たが、ずっとこうだったわけではない。
約1000年前、ここローゼタウンは、とある極悪企業によって滅ぼされた。
その極悪企業の没落後、ここに移住してきた人たちが、1000年かけてやっとここまで戻したのだ。
また、1000年前は今や伝説にもなっている神々の戦いが繰り広げられた時でもある。
光、自然、冥府...
3つの軍が衝突して、戦いを繰り広げた。
結果、光と自然は和解、冥府は倒される結果となった。
歴史の授業では、そう教えられている。
日天こぼしの中、ローゼ市立中学のグランドに、バスケットボールを楽しむ少年たちの姿があった。
その中に、青い髪をした少年『ユース・グリンホルン』の姿があった。
数分後、ホイッスルの音がグランド中に響く。
練習終了の合図だった。
少年たちは、それぞれの帰路に着く。
ユースも自宅に向けて、歩いて行った。
帰る途中、ユースは一軒のゲームショップが建っているのを発見した。
ユース「あれ? こんなとこにゲームショップなんかあったっけ?」
ユースは、そこで立ち止まった。
ユース「まっ、いいか。帰ろ。」
ユースは、再び家路に着いた。
だが、あのゲームショップが、自分の運命を大きく変えることをユースはまだ知らない...
To Be Continued
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第2章 「Brave・Quest Part1」
自宅に到着したユースは、あのゲームショップのことが気になっていた。
ふと、財布を取り出していた。
ユース「だいぶ小遣いも貯まってきたし、夏休み中だし、一度あの店に行ってみるか。」
ユースは、例のゲームショップに向かって行った。
やがて、店に到着したユースは店に入ったが、店内には誰もいないようだ。
ユース「あれ、おかしいな? 営業していないのか?」
その時、レジの奥から物音がした。
ユースは振り返る。
そこには、銀髪が特徴的な端正な顔立ちの少年が立っていた。
バイトでもしているのだろうか?
店員「いらっしゃいませ。
久しぶりのお客さんだ。
ゆっくり見ていって下さいね。」
店員は愛想良く、話しかけてくる。
ユース「あっ、はい。ありがとうございます。」
ユースは、棚に並べられた数多くのゲームソフトを眺めた。
どれも今までに、見たことがないものだ。
その中に、ひときわ目立つゲームソフトがあった。
『Brave・Quest』...
パッケージには、そう書かれていた...
To Be Continued
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第3章 「Brave・Quest Part2」
ユースは『Brave・Quest』を手に取った。
ユース「『ブレイブ・クエスト』と読むのか?
ドラクエやFFみたいなRPGかな?」
ユースは、パッケージを裏返してみた。
どうやらRPGのようだ。
『Brave・Quest』には、RPG好きのユースにとって、何か惹きつけられるような魅力があった。
ユースは、それをレジに持って行く。
ー帰宅後、ユースは『Brave・Quest』を起動した。
普通のRPGと、何ら変わりはないようだ。
ユースはコントローラを握り、画面を先に進めた。
ーすると、突然画面が激しく輝き始めた。
ユース「何だ! 眩しい...!」
まばゆい光は、徐々にユースを呑み込んでいった。
ーあれから何分経ったのだろうか?
ユース「うぅ... ここは...?」
気が付くと、ユースは見知らぬ場所で倒れていた。
To Be Continued
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第4章 「妖精 セラ」
???「ねぇ、あんたこんなとこで寝てたら風邪ひくわよ。」
ユースは振り返った。
背中に翼を持つ少女が、そこにいた。
ユース「...」
???「...何よ。人の顔をじろじろ見て...
あんた『ユース・グリンホルン』でしょ?
私のご主人様が言ってたわ。
あんたのサポート役をするようにね。
私は『セラ』。
まっ、そういうわけで、これからヨロシク。」
ユース「ちょ、ちょっと待て!
いきなり何言ってんだよ!
全然、意味が分からないぞ。」
セラ「あんたでしょ?
『Brave・Quest』を起動したのは。
要するに、あんたはBrave・Questの世界に来ちゃった、というわけ。
で、あんたはこの世界の勇者、この物語の主人公なの。
分かった?」
ユース「...勇者? オレが?
ハハ... これはきっと夢だな...
第一ゲームの世界に引き込まれるなんて、聞いたことがない。」
セラはユースの頬を、つまんで引っ張った。
ユース「いてっ、いきなり何すんだよ!」
セラ「痛かった?
でもこれで夢じゃないって、分かったでしょ?」
ユース「...」
セラ「まぁ、いいわ。
一応、ご主人様に言われたことを伝えておくわね。」
セラは、おもむろに話し始めた。
To Be Continued
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第5章 「勇者の使命」
セラ「あなたは、この世界の勇者...
8人の賢者を目覚めさせ、この世界の頂点に君臨する邪神『龍神帝 テラセウス』を倒さなければならない。
八賢者...
ひとつは『大自然をたたえる森』に、
ひとつは『深き海底』に、
ひとつは『灼熱の山』に、
ひとつは『悠久の銀世界』に、
ひとつは『果てしなき砂の大地』に、
ひとつは『聖なる天空』に、
ひとつは『死霊集いし闇』に、
ひとつは『異次元の迷宮』に...
8人の賢者を揃えし時、勇者は龍神帝テラセウスに打ち勝つ力を手にするであろう...」
セラは、少し間を置いて、続けた。
セラ「何のことだろうね。
私には、全然わかんない...
まっ、とりあえず、あんたにどれくらいの『チカラ』があるのか試す必要があるから、この先にある『チュートリアルフォレスト』に行ってみようか。」
ユース「...」
セラ「何ボケっとしてんのよ! さっさと行くわよ!」
セラは強引に、ユースを『チュートリアルフォレスト』と呼ばれる場所へ連れて行った。
To Be Continued
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第6章 「お試しコース Part1」
セラ「ここが『チュートリアルフォレスト』よ。
私はここで待ってるから、あんたひとりで行ってきなさい。
べ、別に怖いわけじゃないわよ。
サポート役の妖精である私は、チュートリアルフォレストの神殿には入れないの。」
ユース「...行ってくる。」
ユースは、恐る恐る神殿の中へ入って行った。
...声が響く。
???「ようこそ、『チュートリアルフォレスト』へ。
今から汝のチカラを試させてもらう。」
次の瞬間、神殿の入り口の扉が閉まった。
ユース「...閉じ込められた!?」
???「我は汝に試練を与えし者。
さあ、この神殿から脱出してみせよ。
さすれば我は汝を『勇者』と認めよう。」
ユース「こうなったら、やけくそだ。
何でもやってやる!」
ユース「...とは言ったものの...
どうすればいいんだ?」
ユースは、神殿の奥に通路があるのを発見した。
ユース「とりあえず、あそこに行ってみるか。」
ユースは、歩き出した。
To Be Continued
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第7章 「お試しコース Part2」
通路を歩き始めてから、数分が経過していた。
ユース「何かここ、迷路みたいだな。
さっきから、同じところをグルグル回っているような...」
ドシン...ドシン...
背後で物音がする。
ユースは振り返った。
そこには、巨大な斧を持った石像が立っていた。
石像はいきなりユースに向かって、斧を振り下ろした。
ユース「うわっ! 危な!
いきなりこんなのが出てくるなんて、聞いてないぞ。」
石像は床に刺さった斧を引き抜き、再びユースに斬りかかった。
ユースは、走り出した。
石像は追いかけてくる。
だが、動きは遅いようだ。
ユースは物陰に隠れた。
ユース「...ふぅ。何とか逃げ切れたようだな。
第一武器もないのに、どうやって戦えって言うんだよ...」
ユースは、背後の壁から出ている突起に手をかけた。
すると突起が壁にめり込んだ。
ユースが立っている床が、徐々に斜めに傾いていく。
ユース「うわっ、変なとこ、触っちゃった。滑る!」
ユースは、開いた床下に滑って行った。
ユース「うぅぅ... ここは?」
気づくと中央に祭壇がある部屋にいた。
祭壇には、細身の剣が刺さっている。
試練「隠し通路を見つけるとは...
見事だ。汝を勇者と認めよう。
その祭壇にある剣を取るが良い。
その剣の名は『勇者の聖剣』...
かつての勇者が、邪悪な者をたおした際に使ったと言われる、いわくつきの剣だ。
汝なら、使いこなせるだろう。」
ユース「...分かった。」
ユースは祭壇に向かった。
そして剣を引き抜いた。
剣はまばゆく輝いている。
試練「さあ、汝を神殿の入り口に戻してやろう。
目を閉じるが良い。」
ユースは静かに目を閉じた。
気づくと、ユースは神殿の入り口に立っていた。
セラ「あら。あんた試練に合格したのね。
良かったわ。
これから何をすべきか、分かってるわよね?」
ユース「『8人の賢者探し』だろ?」
セラ「あら、分かってるじゃない。
ここからなら...そうね。
『ナチュレフォレスト』が近いわね。
自然の神が住むと言われる森よ。
私の推測だけど、多分『自然の賢者』がいると思うわ。」
ユース「そうか。じゃあ早速そこに行こう。」
ユースは『勇者の聖剣』を携えて、歩き出した。
To Be Continued
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第8章 「ナチュレフォレスト」
やがて、ユースたちは『ナチュレフォレスト』に到着した。
木々は生い茂り、花は咲き乱れ、小鳥のさえずりが聞こえる。
ユース「綺麗な森だ...」
セラ「あら、あんたにもこの森の魅力が分かるのね。
私もこの森は、お気に入りの場所なの。」
ユース「で、『自然の賢者』は一体どこにいるんだ?」
セラ「この森の奥にある神殿にいるんじゃない?」
ユース「...また、神殿か...
まっ、いいか。早く行こ。」
ユースは走り出した。
セラ「ユース! 避けて!」
突然セラが叫んだ。
と同時に、紫色の弾が飛んできた。
ユースは危ういながらも、それをかわす。
ユース「危な! 何だ? 今のは?」
セラ「ユース! 前! 前!」
ユースは前に目をやった。
そこには...
To Be Continued
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第9章 「初バトル!」
気づくとユースたちは、大量の魔物に囲まれていた。
ユース「何だ!? こいつらは?」
セラ「とぼけるのも、いい加減にして!
魔物よ。こいつらは『モノアイ』っていう魔物なの。
弱い魔物だけど、こんなに数が多いと...」
セラは少し間を置いて、続けた。
セラ「まぁ、いいわ。
練習も兼ねて、戦っておきましょうか。
ええと、あんたのステータスは...
Lv.1でHP 8000って強っ!
あんたチートとか使ってないわよね?」
ユース「そんなもん使ってないよ!
どうすればいいんだよ!」
セラ「...何であんたのステータスが、そんなに高いのか謎だけど...
まぁ、そんだけ強かったら、負けることはないんじゃない?
あんた今、剣を持ってるんだから、それでバッサリやっちゃいなさいよ。
あっ、言っとくけど、私は戦わないわよ。
でも、一応あんたの前に立ち塞がる敵の情報くらいは、私のチカラを使って教えてあげる。
今、あんたの目の前にいるのは『モノアイ』。
まぁ、基本的に紫色の弾と3連発の小さい弾しか使ってこないし、もともと弱いから、そんなに苦労することもないんじゃない?」
ユースは既に、大量のモノアイをさばいていた。
セラ「って! 人の話を聞きなさい!」
ユース「片付いたけど...
この剣、斬れ味スゴイ... ほぼ一撃...」
セラ「まぁ、いいわ。
あんた初めてにしては中々やるわね。
でも、よくよく考えてみたら変ね...
魔物は『A.F.T.の倒産』と『冥府軍の敗北』によって、この世から永遠に消えたはずなのに...」
ユース「『A.F.T.』...? 『冥府軍』...?
ひょっとして、冥府軍のボスって『ハデス』っていうヤツじゃなかった?」
セラ「あら、あんた良く知ってるわね。
その通りよ。どこで聞いたの?」
ユース「学校の歴史の授業で...
ねえ、そのA.F.T.ってヤツと、冥府軍について詳しく教えてくれないか?」
セラ「いいわよ。でも、どうしたの、急に?」
ユース「...いや、何でもない。一応、聞いておこうと思って...
八賢者を探す、手がかりになるかもしれないし...」
セラ「分かったわ。教えてあげる。」
To Be Continued
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第10章 「企業帝国A.F.T. Part1」
セラ「まずは『A.F.T.』のことから、話してあげる。
『アルカディア・フォース・テクノロジー社』、通称『A.F.T.社』は、今から14年前、『エルデスト』と名乗る男の下に築かれた。
A.F.T.は、ありとあらゆる分野で世界を股にかけて活躍していたわ。
もちろん、人々からの信頼も高かった。
でもある時から、世界中に魔物が氾濫するようになったの。
犠牲者も大量に出たわ。
で、その魔物を世界中にばらまいたのが、A.F.T.だったの。
最初は誰も信じなかったけど、ロストエターナル島にあるA.F.T.の本社ビルの地下に、魔物の製造工場が発見されたから、間違いないわ。」
ユース「ちょっと待って。
今、『ロストエターナル島』って言ったよね?」
セラ「ええ、言ったわよ。それがどうかしたの?」
ユース「ロストエターナル島は、現実世界でオレが住んでる島なんだ...
オレは、そこの『ローゼタウン』っていうところに住んでるんだ。」
セラ「へぇ。そうだったの。
ローゼタウンも壊滅的な被害を受けたのよ。
村人はほとんど犠牲になったし、村の緑もほとんどが枯れてしまった。」
ユース「えっ? ローゼタウンが壊滅?
ひょっとして、今年は21世紀?」
セラ「当たり前でしょ。
何言ってんのよ。」
ユース「オレが住んでる時代は、エンジェル暦3015年...
この時代から、1000年も先の時代だ...」
セラ「じゃあ、あんた『未来少年』なんだ。
何となく、そんな気がしていたわ。
だって、あんたみたいに全身青尽くめの子、見たことないもん。
じゃっ、そろそろ話を戻そうか。」
To Be Continued
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第11章 「企業帝国A.F.T. Part2」
セラ「A.F.T.のボス、『エルデスト』のことなんだけど、あの男ははっきり言って狂っていたわ。
魔物をばらまいただけでなく、自分自身を魔物にしてしまったの。
『世界征服する』とか言って、私利私欲のために魔物をばらまき、多数の犠牲者を出した。
エルデストの暴走は次第にエスカレートしていって、ついにはアルカディア伝説の秘宝のひとつである『究極のチカラ』にまで手を出そうとしたの。
でも、究極のチカラの正体は、人々の負の感情から生まれた魔物『魔神王 カオスネビュラ』だったの。
結果的にエルデストは、カオスネビュラに吸収されてしまったわ。
...自業自得よね?
カオスネビュラもまた邪悪な存在でね、この世の全てを滅ぼそうとしたの。
でも、ひとりの『天使』と、ひとりの『少年』によって倒された。
天使の名は『ピット』、少年の名は『シュウ』...
シュウの生い立ちは、あまり人には知られていないけど、ピットは有名よ。
ピットはついこの間、冥府軍の奴らをぶっ飛ばしてくれたの。
今から28年前にも、冥府軍を退けてくれたそうよ。
この間の、ピットとハデスの戦いは凄かったわ。
私、ピット君のことが...
ちょっとだけ...
...あら、やだ。
私ったら何言ってるのかしら。」
ユース「ピットとハデスの戦いが、ついこの間って...
じゃあ、今は冥府軍が消えてから間もない時代なのか?」
セラ「そうよ。
でも、『究極のチカラ』関連の話の詳細を知ってるのは、シュウとピット、そしてカオスネビュラとの戦いに関わった神々だけなの。
だから、実際のところは、どうなのか分からないわ。
今、説明してあげたのは、人間界で一般に語られている論よ。」
ユース「そうなんだ...
じゃあ、『冥府軍』のことも教えてよ。」
セラ「分かったわ。」
To Be Continued
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第12章 「冥府軍」
セラ「『冥府軍』のことは、詳しくは人間界には知られていないけど、分かっていることは説明してあげるわ。
人間界に初めて冥府軍が現れたのは、今から28年前のことなの。
その時は、ハデスではなく『メデューサ』っていうヤツが、冥府軍を指揮していたわ。
でも、ピット君が倒してくれたの。
おかげで、また人間界に平和が戻ったのよ。
でも、10年くらい前から、A.F.T.が魔物をばらまき始めたの。
これも、ピット君たちが成敗してくれたんだけどね。
で、A.F.T.の倒産から5年後、今から3年前のことなんだけど、その時に冥府軍が復活したらしく、また人間界に攻めてきたの。
最初は前と同じく、メデューサが指揮していたけど、いつからかハデスが指揮するようになっていたわね。
一番驚いたのは、パルテナ軍が地上に攻めてきたことよ。
光の女神パルテナは、ピットの支配主でもあるの。
人間に対して、慈悲深い神様だったけど、何故か3年間も地上を攻撃し続けたわ。
パルテナ軍の攻撃は突然なくなったんだけど、ホント何があったのかしら?
さっきも言ったけど、ピットとハデスの戦いは本当に凄かったわよ。
私、見たのよ。
ピット君とハデスが戦っているところを。
とは言え、冥府軍について人間たちに知られていることといえば、これくらいかしら。」
ユース「そうなんだ...
じゃあ、UFOみたいなヤツのこと、知ってる?
歴史の授業で習ったんだけど...」
セラ「UFO?
あぁ、そういえば、そんな話も聞いたことあるわね。
確かオーなんとかっていうヤツのことでしょ?
実物は見たことないけど、あいつらもいつの間にか消えていたわ。」
ユース「そうか...
そろそろ森の奥の神殿に行こうか。」
セラ「そうね。グズグズしていられないわね。」
ユースたちは、森の奥の神殿を目指して、歩き出した。
To Be Continued
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第13章 「緑神の神殿 Part1」
ユースたちが神殿に入ってから、数分が経過していた。
ユース「この神殿、スゴイな...
いたるところに植物が絡みついている。」
セラ「これだけ自然の多い神殿なら、『自然の賢者』がいても、おかしくないわね。」
ユース「階段だ... 降りてみよう。」
セラ「薄暗いわね。
ねえ、さっきから変な音してない?」
ユース「そうか? 水が滴る音じゃないのか?」
しばらく沈黙が流れた。
セラ「この先から変な音がするわ。」
ユースは、物陰から覗いてみた。
ユース「...魔物? でもさっきの『モノアイ』っていうヤツと、ちょっと違う...」
セラ「あれは、『ミック』。
モノアイと並ぶ、弱い魔物よ。
モノアイと同様、紫色の弾と、長い舌を回転させる攻撃をしてくるわ。
まあ、あんたなら勝てるわよ。」
ユース「よーし!」
セラ「ちょっと待ちなさいよ。
あんた、あの大群を同時に相手するつもりなの?
やめときなさい。
いくらあんたでも、危ないわよ。」
ユース「でもさっきのモノアイだって、大群だったじゃないか。」
セラ「あれは、運が良かったから勝てたの。
それにミックは、舌による攻撃を使うのよ。
あんたが舌を巻きつけられて、身動きが取れなくなったら、間違いなく負けるわよ。
油断は禁物よ。」
ユース「じゃあ、どうすれば...」
セラ「あそこが見える?」
セラは、ゆっくりと天井を指差した。
To Be Continued
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第14章 「緑神の神殿 Part2」
セラ「あそこの天井がもろくなっているのが分かる?
あれを落とせば、一網打尽にできるわよ。」
ユース「でも、どうやってあそこまで行けばいいんだ?」
セラ「こっちに上へ上がれそうな階段があるわ。
ここから、行けるんじゃないかしら。」
ユース「じゃあ、行ってみよう。」
セラ「しっ! 気付かれたら面倒なことになるわ。」
ユース「分かった。」
ユースたちは、天井裏に辿り着いた。
セラ「天井裏に着いたわよ。」
ユース「ええと、この床を落とせばいいんだよな?
何かロープみたいなので繋がれているけど、これを全部切れば...」
セラ「でも変な切り方をしたら、ちゃんと落ちないわよ。
『回転斬り』を試してみたら?
剣を構えて、その場で回転しながら周囲を斬りつける技よ。」
ユース「でもリーチが全然足りない。」
セラ「剣を真上に掲げてみなさい。」
ユース「こう?」
ユースの掲げた剣に、次第に光が満ちてきた。
ユース「こんな技も使えるのか。」
セラ「その技の名は『アマテラスエナジー』。
太陽神の力を借りる技よ。
太陽の光がない場所では使えないけど、ここは崩れた天井から日光が漏れているから、使えるみたいね。
『太陽の光』がない場所では使えないから、よく覚えておくのよ。
その状態で回転斬りを出してみなさい。」
ユース「よーし!」
ユースは回転斬りを放った。
剣から光の刃が、広範囲にわたって広がる。
光の刃が、釣り天井を固定するロープを切断した。
ユース「やった。」
釣り天井が真下に向かって、落ちて行く。
ユース「ちょっ、うわぁぁ!」
ユース「痛っ〜!」
セラ「そりゃ、あんた釣り天井の上に乗ってたら、落ちるわよ。
大丈夫?」
ユース「ああ、平気だ。」
セラ「でも良かったじゃない。
おかげでミックは全員、この釣り天井の下敷き、『自然の賢者』がいると思われる部屋に通じる扉は、目の前よ。」
ユース「...行こう。」
ユースは剣を構えて、恐る恐る扉をくぐった。
To Be Continued
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第15章 「VS 魔瘴毒種 エヴィルローズ Part1」
ユース「大きな部屋だな...」
セラ「何か嫌な予感がするわ...」
突然、背後の扉が閉ざされた。
ユース「閉じ込められた!?」
ガサガサ...
ユース「何か物音がしないか?」
セラ「...するわね...」
ガサガサ...ガサガサ...
物音は次第に大きくなった。
突然、ツタがユースたちを襲ってきた。
ユース「うわっ! 何だ、今のは?」
セラ「...植物のツタみたいね...」
ツタは何本も出てきた。
セラ「ユース! 来るわ!
剣で斬ってやったらどう?」
ユース「名案だな。来い!」
ツタはユース目がけて、掴みかかってきた。
ユースはタイミング良く、斬りつける。
ーツタは切断されて、床に落ちた。
セラ「いいわ、その調子よ。」
ユースは次々とツタを斬りつける。
ユース「これじゃ、キリがない。
こいつら、いくらでも出てくる。」
セラ「そうね。本体を叩く必要があるわね。
ツタの根元は高い位置にあるから、剣はとどかないし...」
セラは、ふと天井を見上げた。
セラ「ねえ、この部屋もわずかながら日光が漏れているわ。
アマテラスエナジーを使ってみたら?」
ユース「よし!」
ユースは剣を真上に掲げた。
剣に光が満ちてくる。
その時、一本のツタがユースに巻きついた。
ツタが徐々に、ユースを締め上げる。
ユース「うわぁぁっ!」
セラ「ユースッ!」
To Be Continued
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第16章 「魔瘴毒種 エヴィルローズ Part2」
セラ「ユースッ!
アマテラスエナジーはもう出せるわ!
早く剣をツタの根元に向かって、振って!」
ユースは剣を振った。
ツタに炎が燃え広がる。
???「ギャァァ!」
天井から、何者かが落ちてきた。
よく見ると、薔薇のような姿をしている。
セラ「ユース! 大丈夫?」
ユース「...オレは平気だ...
それより、何なんだ? こいつは?」
セラ「多分、この『緑神の神殿』のボス級モンスター...
サーチするわ。」
セラ「サーチできたわ。
注目対象は『魔瘴毒種 エヴィルローズ』。
無数のツタを獲物に巻きつけて捕食する、肉食植物。
HPは25000よ。
植物なだけに、炎に弱いみたいね。
アマテラスエナジーなら、燃やせるわ。」
ユース「よし!」
ユースは再び、剣を掲げた。
エヴィルローズはよろけながら、ツタを伸ばしてくる。
ユースは、軽やかにそれを避けた。
ユース「くらえ!」
ユースは、アマテラスエナジーを放った。
炎がさらに燃え広がる。
エヴィルローズ「ギャァァァ!!」
エヴィルローズは、断末魔のごとき叫び声を上げて、倒れた。
ユース「...やった。」
セラ「良かったわ。これで先に進めるわね。
そういえば、今まで気づかなかったけど...
あんた、レベルが上がってるわよ。」
ユース「ホントか?」
セラ「ええ、あんたは今Lv.12。
HPは24000よ。」
ユース「よーし! これからも、レベルを上げまくろうかな〜。」
セラ「それが、いいわね。
最初のボスで、あの強さだから...」
ユース「奥に進む扉が開いている。
そろそろ行こうか。」
セラ「ええ、そうしましょ。」
ユースたちは、扉をくぐって行った。
To Be Continued
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第17章 「自然の賢者」
部屋に入ると、祭壇の中央にひとりの少女が立っていた。
???「よくぞ、ここに辿り着いた。
わらわは『自然王ナチュレ』。
そして、『自然の賢者』でもある。」
ナチュレと名乗る少女は、ユースの剣を見た。
ナチュレ「その剣は『勇者の聖剣』。
そなたは勇者で、間違いないようじゃな。
名は何と申す?」
ユース「オレは『ユース』。
『ユース・グリンホルン』です。」
ナチュレ「良い名を持っておるな。
では、わらわもそなたにチカラを貸そう。」
ナチュレは、淡い緑色の光を放つオーブを差し出した。
ナチュレ「受け取るが良い。」
ユース「これは?」
ナチュレ「それは『自然のオーブ』
このわらわ、すなわち『自然の賢者』を目覚めさせた証じゃ。
そなたは八賢者を覚醒させるための、8つの試練のひとつを乗り越えたのじゃ。
それは、そのことを証明するものでもある。」
ユース「ありがとうございます!」
ナチュレ「そなたらは、次にどこへ向かうのか、まだ決めておらんのか?
わらわはひとつ引っかかることがあるんじゃが...
『聖なる天空』とは、『エンジェランド』のことではないか?
エンジェランドは『光の女神パルテナ』が治めるところじゃ。」
ユース「そこへは、どうやったら行けるんですか?」
ナチュレ「人間が天界に行くなんて、聞いたことがないが...
勇者なら、行っても大丈夫じゃろう。
わらわのチカラで、送ってやろう。
...ひとつ言い忘れるところじゃった。
エンジェランドには、そなたと『同じ目をした者』がおる。
その者の協力もあおると良いじゃろう。
この先、そなたひとりだけで戦うのは、あまりにも危険じゃ。
『あのエンジェランドのトップファイター』は、きっとそなたにとって、大きな助けになるじゃろう。」
ユース「分かりました。ありがとうございます。」
ナチュレ「さあ、目を閉じよ。
転送するぞ。」
ユースは静かに目を閉じた。
ーやがてユースたちは、淡い光に包まれた。
To Be Continued
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第18章 「天界エンジェランド Part1」
ユース「...ここは?」
ユースは辺りを見回した。
無数の島が、宙に浮いている。
ユース「えっ!? この島、飛んでる?」
セラ「ここが...『エンジェランド』...」
???「あれ? キミ、人間だよね?」
ユースたちは、振り返った。
ひとりの天使が立っている。
セラ「えっ!? ええぇぇぇっ!!
ちょっと、あなた『ピット』君でしょ?
この間、ハデスをぶっ飛ばしてくれた...」
ユース「えっ!? この人が噂の『ピット』君...?」
ピット「はじめまして。ボクは『ピット』。
ええと、ボクって、そんなに有名だったかな?」
セラ「有名も何も... 私『セラ』と言います!
自称『ピット君のファン』です!」
ピット「えっ、ボクのファン...?
照れちゃうな〜」
ピット「ところで、キミたちは、こんなところで何をしてるの?」
ユース「オレたちは『八賢者』を探しているんです。
そのうちのひとりは、さっき目覚めさせました。
『ナチュレ』っていう『自然の賢者』です。」
ピット「『ナチュレ』だって!?」
ユース「そうですけど... どうかしました?」
ピット「いや、何でもないよ。
ここじゃ、何だし、パルテナ様の神殿に案内しようか。
キミたち、何か悪いヤツじゃなさそうだし...
まあ、エンジェランドには悪いヤツは入れないんだけどね。
ついてきて。」
ピットは、奥の方にそびえる神殿に向かって、歩き出した。
ユースたちは、その後ろについて行った。
To Be Continued