ワザップ!フォーラム
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エピローグ
西暦2112年 地球は争い事もなく平穏な日常を保っていた。
ある日の朝までは………
2112年 1月3日 午前3時30分
年が明け新しい日常を送ろう二日目の、まだ冬のしかも雪がまだ降り続ける暗い夜中、 俺は、何とも言えない寒さを耐えながら、布団にくるまり寝ていた訳なのだが、不意に誰かの視線を感じ跳ね起きてしまった 。
「…誰だ?こんな時間に」
と自分以外いるはずのない部屋に声を飛ばしつつ周囲を見回しても、返事はなく自分の勘違いかなと思い再び寝入ったのだが、10分もしない内にまた視線を感じた俺は、手短にあったバットを持ち一階へと降りた。
玄関へと続く廊下へ進み右にダイニングがあり、隣にキッチンがあるのだがやはり誰も気配はせず、不安になりつつも電気をつけ確認して二階の自分の部屋に入ったとたん氷ついてしまった。
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第一章
「…ふわぁ…眠いなぁ……」
と寝ぼけた幼い声を俺は朝からご飯の仕度をしながら
「お前マジで神様なのかよ昨日のお前と全然違うな。」
と呆れ半分おどろいていると
「…ふむぅ〜昨日のあたしは別人格だから今のこの状態をみれば驚くのも無理もないね」
などと俺のコップを口につけながらお茶を啜っていた。
「でもさぁいきなり人ん家に現れて勝手に俺の布団にくるまりながらパソコン弄くってる変質者……もとい女の娘を叱らない奴ってそうは居ないぜ!
しかもあろうことか恥じらいもなく下着姿でこの真冬の中歩き回り疲れたからって挙げ句の果てに人ん家に上がり込むなんてさ」
「…だってお母さんに「家でぐぅたらしてないで外に出掛けてきなさい!」なんて言われて追い出されたあたしに行く場所なんて何処にもないんだもの。」
…なんか話を聞いてると飢えてる獣を引き取っちゃた感じに思えてきた。
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取敢ず一晩泊めてやったは良いもののこの娘の実態がいまいちなので、未だに少し距離を置きつつ見ているのだが、当の本人は此方の視線にも意に介さず、お茶を啜っている。
「それで、これからお前はどうする?この真冬の中住める所探して徘徊すんのか?」
流石に幾ら良心的な俺でもいきなり居候が増えた為今まで貯めてきた生活費が無くなっていくのは困りもんである。
「ん〜あたしは別に住めそうならどこだっていいけど、動くのが面倒臭いし風邪引くから矢駄!」
…前言撤回。こいつただの引き籠りな上にめんどくさがり屋なだけ発言しやがった。脳内の何処かで、プチっと音がした。
「おい、働きもしないで此所に居たいなんて抜かすんじゃない。」
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『え〜だって家にいると落ち着いちゃってなんもしたくないんだもの。そんなあたしが出来ることなんて一日中ゲームとかぐらいしかないよ?』
それは屁理屈だ!と言いそうになり黙り込んでしまった。しかしそれを言ってもこのバカは治る訳でも無いからで、かといって放っておく事もできないのである。
『ほんとにどうしたら良いんだ?いっそ警察にでもつき出してやろうか』
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まだ年明けすぐなので行政とかも営業しておらず、頼り処に数が少ない時に警察につき出すのもどうかと思うが…
『…ねぇ?暫くここに居させてくれない?あんま迷惑掛けないからさお願い!』
う、…上目使いでおねだりしてきた。
『仕方ない冬休み明けるまでは家にいても良いけど、お金がないんだから家事したりするぐらいは手伝えよ』
『メンドクサイデス。メンドウゴトシタクナイデス。でもガンバリマス』
露骨に嫌そうなカタコト言葉と表情で承諾してくれた。
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そして… 時はたち始業式当日!
「なぁなぁなぁ!お前ん家女が同棲してるって噂広がってるぜ!」
…ブホォ!
友達の1人坂口冬真が俺が席に着くとそんなことを言ってきた。
「……な、なぜそんな噂が?」
「いや、だってなぁあそこにいる女に隠し事なんて絶対無理だから!」
と顔を右斜め前方に移した所にクラスメイトのみならず、下級生や上級生同学年の男女に囲まれながら何やら話題を話しているクラスメイトの穂崎 杏奈がいた。