ワザップ!フォーラム
スレッド内検索
-
リカンネは目を凝らして辺りを見回して
みたものの、結局何処にもゾフィンは
いなかった。
リカンネ「本当にいないだなんて…!」
その頃、白い巨大な船は、リカンネとルカが
いる場所を既に通過して行ったのだった。
-
ルカ「ゾフィンは…死んだ…?」
リカンネ「いえ、死んではいないわ」
ルカ「本当に?」
リカンネ「大体、彼の遺体が無いじゃない」
そう言われたからかルカは少しホッとした。
-
だが、油断は出来なかった。
行方不明になったとして、何時かは絶対、
死ぬかも知れないからだ。
ルカ「(ゾフィン…生きてて…!)」
ルカはそれ以降、ずっとずっと、
寂しく暮らしていたのだった。
-
第46話『悪の軍団』
ルリア「そ、そんなことが…!?
ところでルカさんって、何歳ですの?」
ルカ「19だけど」
ルリア「では、私達より2つ年上ですのね」
-
ブォォォォン………
突如、何か太い音が鳴り響く。
空に浮かぶ巨大船が来たという証拠の音。
ルカ「来たわ…!」
アグティ以外全員みんな険しい表情をする。
-
アグティ「え?みんな、なんでそんな
難しい表情するの?」
ルリア「警戒してるんですの!」
やがて白い巨大船はゆっくりと此方へと
降りて来た。
-
ゴゴゴゴゴ………
白い巨大船は陸地にゆっくりと降りる。
そして船の真ん中にある紅い扉が開き、
朱色の長髪で焦げ茶色の瞳で紅い丈の
長いドレスを身に纏った女性が
此方へとやって来た。
-
コツ、コツ、コツ、コツ。
履いているヒールの音が静かな森に
響いた。
『…何しに来たの?』
アグティ「何って、僕達迷ってるんだよ」
ルリア「ちょっ!アグティ!」
-
とにかく話しかけるのが優先のアグティを
ルリアが何とかしてでも止めようとする。
『じゃあ好きで此処に来た訳じゃないのね』
ルリア「ええ。まあ」
ルカ「…そっちこそ何しに来たのかしら?」
-
ルカさんがあたし、アグティ、ルリア、
アオイ、アカネ、ジュヴィーレ様、
リカンネさん、フォンデュ、デュメルさんの
前へとコツ、コツ、とヒールを音を響かせ
ながら女性の前へと出る。
-
『集団を一気に襲おうと思って』
リカンネ「ゾフィンっていうのは分かる?」
『分かるも何も、ゾフィンは私(わたくし)達
の一員だから』
リカンネ「やはりそうだったのね」
-
『あら、何か?』
リカンネ「特に無いわ。私の妹が
ゾフィンの行方が解らなくて、
時々泣いてたのよ。どうしてくれるの?」
『そんなの知らないわ』
リカンネ「まあ、とにかく、他にも人
いるんじゃないの?
他の人を出して来なさいよ」