良い点

□曲、BGM
シナリオが酷過ぎて入ってこないが、個別に聴くと流石の一言。
このクソゲーには勿体なかった。
田中公平先生には旧作から引き続き、深い感謝しかありません。

□建物、街並み、光武のグラ

悪い点

■良い点以外のその他全部

具体的に挙げると…

■シナリオ
(この無残過ぎる出来のシナリオで、よくもまあセガが公式として通したなぁ…)が率直な感想となります。

起承転結の承がない。支離滅裂。短か過ぎる。
DQⅢでいう所の、バラモスを倒したら終わりという感じでしょうか。

完全新作とはせずに『十年後』としておいて、ありとあらゆる統合性、整合性が取れていない。てゆーか取ろうとすらしていない。

『十年後』と設定しておきながら整合性が全く取れてない影響として、幾度も幾度も旧華撃団に滅亡、壊滅の窮地を救われたはずの帝都民が、華撃団構想を世界中のどの都市よりも身をもって理解し支持してるはずの帝都民が、“華撃団不要論”を唱えさせられてます。

『十年後』と設定しておきながら整合性が全く取れてない影響として、降魔〇を封印した幻〇へ随伴してないはずの数多き名脇役たちも“存在すら”消されてます。

もうサクラ大戦である必要すら感じられない。

いくら『新』を付けようとも、過去に旧作の影響で社会的に影響をもたらした“サクラ大戦”を名乗るのであれば、旧作を全て洗い統合性・整合性を取るべきでしょう。
サクラ大戦を名乗っておきながら「いや新作です」は通用しません。
それなら全く違うタイトルで、土俵で、完全新作とすれば良かっただけの事。

■キャラデザ、複数採用したキャラデザ
ドラクエキャラデザ鳥山氏がいきなりワンピース尾田氏に代わったくらいの違和感がある。
例の件で藤島氏を起用しにくいのも解るが、それなら長年に渡って死に体であったサクラ大戦を支え続けてくださっている松原氏にオファーするのが筋というもの。
その松原氏にはオファーがなかっただけではなく、セガ内『人気タイトル復活投票』結果前から久保氏にオファーしていたデキレースがあったというから呆れる。

支離滅裂なシナリオのおかげで滅茶苦茶な世界観な中、複数キャラデザ採用が輪をかけて統一感をなくしている。
そもそも複数キャラデザがOKなのであれば、すみれを松原氏にしなかったのが納得できない。

■操作性
戦闘アクションは超絶劣化版無双。
操作性の精度は劣悪。
難易度設定・ボタンコンフィグもない。
作り手がターゲットロックオン機能の存在自体を失念したのかと思ったら、遠隔攻撃キャラ「1人だけに」付いてたり。
シナリオ戦闘ではお供をほぼ選べない(終盤以外はシナリオに沿って参戦キャラが決まっている)が、選べるならそのキャラを選ぶのは自然の理。
その他のキャラには付いていないのと、カメラワークの悪さも相まって、無双中に敵を度々見失う。
滞空する敵に関しては当たりにくい上に移動し、空振った空中で固まってからの被弾しまくりで、イライラがマッハ。

美麗なグラフィックで描かれた帝劇内や帝都内を散策は出来はしますが、それだけでした。
動き回れても意味はほとんどなく、ルートカットなどもない。
なのに各話毎で数ヶ所に収集目的でのブロマイドが落ちてます。
この広大で恐ろしく退屈な移動を強いられる中、どこかに落ちてて光ってます。
一応ヒントはあるものの、光ってる箇所がかなり近付かないと光ってくれないのもあり、毎話毎話、このブロマイド探しの旅が物凄く苦行となります。

■アドベンチャーパート
全体的に短過ぎるシナリオを更に新さくへ強引に割いてるため、他のメインキャラのシナリオにも新さくの主張が激しく(ん?これ誰メインの話だったっけ?)と多々陥る。
新さくに乗っ取られており、メイン回が消し飛んでるキャラがいる始末。
その新さくも酷いシナリオによって情緒不安定にされており、感情の起伏が突飛過ぎて理解できず、かなりドン引きしました。

ボイスが各キャラ全テキストの1/3も入ってない印象で、しかもその数少ない貴重なボイスの使い所が間違っている。
日常会話に声が充てられてると思えば、重要な場面なのに急にボイスなしになり、日本では違和感すら感じるオーバーな手ぶり身振りなのが口パク状態で続きます。
最初バグかと思いましたよ…

旧作は発音に合わせた口パクが見事で感心したものですが、今作は凄まじく劣化し適当口パクですね。

総じて短過ぎるシナリオのおかげで世界観・メインキャラ・サブキャラ、全てにおいて掘り下げ不足で、感情移入できないままクライマックスへ突入します。

展開が違えば
ゲームが違えば
作り込みが深ければ
王道な胸熱なセリフがクライマックスなだけに飛び交いますが
全てが薄っぺらい作りだっただけに何も響いてはきません。

■バトル変更
旧作は花組全員参加型のタクティクスバトルだったのが、今作は超絶劣化無双系アクションとなってます。
上記の通り、劣悪な操作性も問題ではあるのですが、自分にとって「これはサクラ大戦ではない」との判断を決定付けたのがこのアクションバトルでした。

そもそも“サクラ大戦”とは、花組隊長となった人物視点で隊員たちと絆を深め、信頼関係を成立し、悪に対し正義を示す勧善懲悪モノだったはず。
それは歴代バトルにも反映されてきており、バトルでのブレないテーマは「花組として戦う」ことだったはず。

で、今回はコレです。
花組で戦ってる感ゼロです。

ここの部分に「こんなバトルなら別にサクラ大戦じゃなくてもよくね?」という思いが強いです。

■キャラ関連
支離滅裂なシナリオによって、理解不能な奇行をしてくるサブキャラ。
支離滅裂なシナリオによって、残念な行動が目立つメインキャラ。
支離滅裂なシナリオによって、昔話をするだけのオバサンと化したすみれ。
短すぎるシナリオによって、掘り下げ不足のまま迎えるクライマックス。


…等々、挙げたらキリがありません。


総評

『稀代の駄作』
『旧作レ〇プの典型』

コレの商品化へGoを出したセガにも、制作主導した名越氏にも言いたいことは山ほどあれど、これほどの駄作が二次制作でもなく「公式として」「待ちに待ったサクラ大戦」として世に出たのが悔しくて堪りません。

しかもこの悲惨すぎる出来で強気のフルプライス。
どこまでゲーマーを、旧ファンを舐めてるのかと。
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