●PS版との違いは?
アニメがなくなって、変わりにちょっと追加ムービー(CG)が入った作品。移植だけどほぼそのままなのでPS版楽しんだ人は無理に買わなくてもいいかも。
逆にOPムービーがストーリー中のムービーの再編集みたいなのになってしまってちょっと価値が薄れてしまった感じが…しなくもない…
そして、そもそもが「PS時代にしては凄い出来」なので今でも十分楽しめます。


●ゲームのバランスが良く出来ている!
最初に難易度選択があるものの、敵の強さやダンジョンの難しさが自然と上がっていくのがとても良いバランスである。クセのある敵や難しい仕掛けもちょこちょこ出てきて、不快にならない、けどやりごたえのあるいい具合の難易度してます。
ただ、一部のダンジョンではやたら難しいアクションを要求されます。(ただし、ダンジョンはクリアしなくてもEDを迎えることは可能)


●重厚感のある話…だけど…
原点は北欧神話。神と人間の物語。
この作品は人間が死ぬところから始まるのでパーティーキャラは全員死ぬシーンを見るとこから始まります。そのため、パーティーキャラ全員に深いストーリーが設定されていてどれもバリエーションにとんだ素晴らしい話ばかり。
フルボイスではないものの、イベントのセリフは一部喋ります。顔グラフィックもあり。

しかしベストエンディングに絡むキャラは限られているため、全員を仲間にする必要がなかったり、別にこのキャラいなくてもいいや、な展開がちと残念なところ。お気に入りキャラにあまりスポットが当たらない、ただの傭兵キャラのような感じになってしまうのが…。EDに絡まないキャラを単体で推している人に向いてません。さらに、最終決戦で主人公が強い剣を装備するんだけどこれが完全なバランスキラーで、これまでずーーーっと苦労して育ててきたキャラが全然輝かなくなります。ステータスがUPするアイテムを全部推しに注ぎ込んで、直前の戦闘までメチャクチャ強くても最強の剣の前には全く意味無し。

なので個人的には普通エンドであるBエンディングが好きという……(^_^;)
ちなみにBエンドの場合は強い仲間を集めて神界戦争に勝利することが目的なのでゲーム的にパーティーで活躍していなくともストーリー的には活躍している感じがしてどのキャラにもスポットが当たっています。
変わりに感動的なストーリーではないのだけれど…。



●キャラごとに個性のある技の数々
よくあるRPGと違ってキャラそれぞれにモーションの違う技が用意されているので単純にステータスだけではキャラの強さは語れない。他のキャラと技を連携してコンボを続けていく戦闘が面白い。
そして頭の中で考えたコンボが綺麗に繋がった時の爽快感!

「ヒット数は多いけど単発の攻撃力が弱い」
「モーションにクセがあってほかのキャラとの連携が取りにくい」
「必殺技が強いけど通常技が使いにくい」
「敵から宝箱を落とすのに向いているけど攻撃力が弱い」
…などなど。どのキャラにも長所と短所があり使い方や育て方次第で使える子になるのが素晴らしいゲームバランスである。
好きなキャラをコツコツ育てて強くしてもよし、使い勝手のいいキャラを入れるのもよし。
パーティを変えて技の順番、コンボの繋ぎ方を変えると無限の楽しみ方ができます。

ただ、魔術師がたくさん登場するが差がないのがよろしくない。最初から覚えている魔法こそ違うが全部の魔法は魔導書で習得ができ、さらにその魔導書もガンガン手に入るので『この魔法が使えるのがこのキャラの強みだ、この魔導書は貴重なのてコイツに覚えさせ…』といったような楽しみが無い。せっかく他のキャラにはそれぞれ個性があるのに無駄に数ばかり多く、「キャラの好み」で誰をパーティに入れるか決まってしまう感じに。


●音楽のノリがいいぞ!
このゲーム、音楽のノリがとてもいいです。主にダンジョンの曲はどれもカッコいい曲ばかり。対して人が死ぬイベントの曲は物寂しい曲があって曲数も多い。

ただ、ダンジョンの曲はダンジョンのイメージを表しているか?というとあまりそうではないのが残念なところ。ゲーム音楽は単に音楽そのものが良いだけでなく場の雰囲気にマッチしているかが重要になってくると思うので…このゲームは…あまりマッチしているとは言い難い…。
(「マッチしている」の度合いはスーパードンキーコング2と比べると分かりやすいかも)


●ところでやり込み要素ってどう?
本編自体は1周クリアしたら2週目無し。変わりにEDが複数あります。
そして本編クリア後に出現するダンジョンには周回要素があり10周まで遊ばせてくれます。
また、戦闘中のボイスをコレクションすると画像が見れるようになるシステムがあるのでどのキャラもたくさん使ってね!っていう実に上手なやりこみシステム。
アイテムコンプリート、ダメージやヒット数の記録が残るシステムがあればもっとやり込み要素が増えたかも。


●総合
【おすすめする層】
・アクションと戦闘、どちらでも(片方でも)楽しみたい人
・「所詮PSの移植」とか決めつけない人
・神とか人間とか壮大な話が好きな人


【やめといた方がいい層】
・アクションが苦手で根気も無い人
・完全なるキャラ単一推し(推しが輝いてるとこが見たい人)


10点満点中8点。

…やっぱな、俺的にはエンディングにおいて推しが「いなくてもいい子」になってるのがどうしてもアウトなんじゃ……いくらシステム良くてストーリーも面白くても「好きなキャラ」の扱いって大事なんだよ……
最初から「脇役枠」のキャラじゃないんだからさ…「パーティキャラ」である以上ある程度平等であってほしかった…(そう考えるとやっぱグローランサーは偉大)

逆に言えばストーリーであまり楽しめていないのに(PS版と合わせて)15周以上やってしまうほど魅力的な戦闘システムが神すぎるということか…
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