1000年前、スピラに大きな戦争がありました。
魔法や召喚技を戦力としていたザナルカンドの勢力と、機械文明の力をもっていたベベルの戦力です。
いかにすぐれた魔法の力を持った人たちがいても、圧倒的な機械力に勝てるものではありません。ザナルカンドは敗北することになります。
この最後の場面で、残されたザナルカンドの一般人たちは、みずから「祈り子」となり、永遠の夢の世界を召喚する道を選択します。
彼らの見る「夢」を統合させ、とてつもない「物」を召喚し続ける力をもった人がいました。それが、ユウナレスカ様のお父様ですね。
とてつもない「物」、これが後に本編の主人公が誕生する「夢のザナルカンド」の街です。
彼は、それとは別に、スピラの世界に巨大な災厄を残していきました。「シン」です。
あまりの強さに、戦争末期、ガガゼトをこえようとしたベベル軍すら、ザナルカンドに攻め入ることを不可能とさせた存在です。
たとえ、たおされても、そのたおした者に乗り移って、いつかまた復活する・・・という、災厄。
「シン」は、以後1000年、スピラに発展した地域が出現しようとするたびに、その地を襲撃し、力を見せ付けることになったのです。
戦争には勝利したベベルですが、「シン」の脅威をとりのぞくことはできませんでした。
中央のベベル宮の実力者たちは、過去に自分達の起こした戦争の残したものである「シン」を「人間の罪業」といったものにすりかえ、自らの保身につとめたようです。
すぐれた力を持った召喚師が、ザナルカンドまで旅をし、ユウナレスカ様から究極召喚という特別の技をいただくことができたら、それだけが「シン」をたおすことができるのだ・・・いつか、スピラの人々は、希望のない世界で戦々恐々とすごすだけになっていたのです。
(ただし、究極召喚を使用すると、その召喚師本人は死んでしまうと伝えられていました。また、せっかくたおしても、やがてシンは、復活するものでもありました。)
それでも、過去、何人もの召喚師が自らの命を犠牲にして、つかの間の平和のために、ザナルカンドをめざしていたのです。