「ミァンのエレハイム」とは何のことでしょう?
さておき、エレハイムとミァンについて記述します。
1人目は「オリジナル・エレハイム」です。
これは、ゾハルを含むデウスシステムを制御している、
生態電脳カドモニの主素子ペルソナのことを指します。
連結起動実験に居合わせたアベルの意志を反映し、
「母」としての特性を備えた主素子ペルソナのことを、
オリジナル・エレハイムと呼ぶわけです。
ペルソナはデウスに何らかの問題が生じたとき、
自身をデウス統御モードにシフトさせるために、
システム・ハッワーを起動します。
このときのペルソナは、オリジナル・エレハイムではなく、
ミァン・ハッワー(オリジナル・ミァン)となっています。
つまり、オリジナルのエレハイムとミァンは、
別人ではなく、モードが違う同一の存在なのです。
まあ、そもそも人間どころか生物でもありませんが。
このオリジナル・ミァンがカインとガゼルを生み、
惑星の「ヒト」としての歴史をスタートさせますが、
同時に、デウス復活に向けて2体の複製を作ります。
これが、主体エレハイムと補体ミァンです。
以降、エレハイムは接触者の対存在として転生し、
ミァンは自己修復するデウスのサポートを行います。
ミァン因子はすべてのヒトの女性に内在しており、
1人のミァンが死ぬと次のミァンが覚醒します。
この因子は、対存在の中にも存在しています。
終盤でエリィが「私はミァン」と言いましたよね。
分化体であるエレハイムとミァンは、デウス復活の際、
ペルソナに帰還しなければなりませんが、そのとき、
あくまで主体(エレハイム)でなければなりません。
補体であるミァンとは、要するに「ただのヒト」であり、
ペルソナとしての機能は持っていないからです。
しかし、エレハイムはあくまで対存在ですから、
エレハイムのままでペルソナに戻ることもありません。
「ミァンとして覚醒したエレハイム」でなければ、
分化体の帰還がなされることはなかったのです。
なお、対存在はアベルが生み出したのではありません。
前述のとおり、オリジナル・ミァンが生み出しました。
オリジナル・エレハイムも、アベルの観測行為によって、
母としての特性を定義づけられた波動存在が、
それをペルソナに投影した結果、誕生したものです。
直接的に生み出したのは、波動存在ということです。
まあ、アベルが関わっているのも確かですけどね。
順番としては、アベルが接触者になったからこそ、
対存在というものが必要になったわけです。