ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ224:ゲームの楽しさはコール&レスポンスにあり!
今年は、最大11連休となるゴールデンウィークでしたが、みなさんは何をして過ごしました? ボクはというと、『第9地区』という映画を観に行ってきました。
宇宙人と人間が共存する南アフリカの"第9地区"という場所で起きた出来事を描いたSF作品でして、その独創的なストーリーをはじめ、ところどころに見られる映像演出にはテレビゲーム的な部分も見受けられ、とても興味深く楽しめました。
斬新な語り口とテンポの良い展開がすばらしく、オープニングからエンディングまで、一気にハマってしまったほど。
ちなみに、本作の監督であるニール・ブロムカンプ氏は、映画版『Halo』を手掛ける予定だった人物。もろもろの事情で映画版『Halo』の制作は頓挫してしまったようですが、彼が監督をする映画版『Halo』を観てみたかったなあ、と思わせるほどの良作でした。
Youtubeなどを探すと、ニール・ブロムカンプ氏が手掛けたショートフィルム、『Halo:Arms Race(ヘイロー:アームズ レース)』(E3 2007で公開されたゲームのイメージ映像、というか映画のテスト版だった?)が観られるので、気になる人はチェックを!
そんな、テレビゲームと映画の関係ですが、このふたつはむかしから親和性が良いんですよね。
テレビゲームの映画化といえば、古くはデニス・ホッパーがクッパ役を務めたことでも話題になった『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993年)や、ジャン=クロード・ヴァン・ダム扮するガイルが主人公の『ストリートファイター』(1994年)、そして『ファイナルファンタジー』(2001年)や『バイオハザード』(2002年)など、その数は多い。
テレビゲームの映画化の話については以前、このコラムでも書いたので詳しくはこちらを読んでみてください。【★】
で、ここ近年は、ゲーム機の性能もグンとアップし、これまで以上に"映画"と変わらぬクオリティーのCGが楽しめるようになり、"映像面"だけでは言えば、ゲームと映画の差は無くなりつつあるなあと。
でも、映画とは違い、ゲームの良さはインタラクティブ性があること。つまり、ただ観ているだけではなく、コール(呼びかけ)をすればレスポンス(応答)があるのが楽しいんですよね。
そういう意味では、いくらゲーム映像が映画並みに美麗であっても、また、ストーリーが魅力的であっても、ただボタンを押して物語を進めるだけのRPGやアドベンチャーは、ゲーム(遊び)として面白いとは思えないんですよねえ。
映像もストーリーもゲームの一部なのはわかりますが、それよりもコール&レスポンスの楽しさでユーザーを驚かせて欲しいなあ、と思ってます。
【毎月、第2・第4金曜日更新】
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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