Vol.84:時空を超えた"歴史if"を楽しめるオンラインシミュレーションRPG『転生絵巻伝 三国ヒーローズ』
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Vol.84:時空を超えた"歴史if"を楽しめるオンラインシミュレーションRPG『転生絵巻伝 三国ヒーローズ』
by 小松ヌンチャク 2009年12月04日
『転生絵巻伝 三国ヒーローズ(以下、三国ヒーローズ)』は、『三国志』の世界を舞台に、物語に登場する武将と共に天下統一を目指していくオンラインシミュレーションRPG。本作は以前のコラムで紹介しているんですけど、つい最近、11月26日にゲームの世界観をガラリと変える大規模アップデートが実施されたんです。アップデート名は『赤壁 VS 桶狭間』。そう、これまで三国志の世界を舞台だったのが、時空のゆがみによって戦国時代の日本とのゲートが出現! 中国の三国時代と、日本の戦国時代という、どちらのファンも多い世界観が融合しちゃったんです。歴史的においしいトコ取りの設定に異論を唱える向きもあるかもしれませんけれど、ゲームならではの"歴史if"を楽しむにはこれ以上のタイトルはないかもしれません。プレイ序盤の詳細紹介は前回のコラムを参照していただくとして、本アップデートで『三国志ヒーローズ』がどんな世界に変わったのかをレポートしていきたいと思いま〜す!
三国時代の世界に時空のゆがみが発生! 『赤壁 VS 桶狭間』アップデート
本アップデートでは世界観の変化に伴い、"虎牢関"や"官渡"など史実で有名な戦いに参戦できる"伝奇戦役"、戦国時代の日本での活動、ペットシステムやレベルキャップ引き上げなど、多彩な新要素が追加された。
呉でプレイ開始! 失われた能力と記憶を取り戻せ
キャラメイクでプレイヤーが操る武将を作成する。性別や所属国のほか、外観のタッチをリアルタイプかアニメタイプから選ぶことが可能。筆者はリアルタイプを選び、三国志モノは必らず呉プレイを信条としているので呉陣営を選択。本作のプレイヤーキャラはかつて孫呉を盛り立てた有能な武将だったが、妖魔の伏兵によって倒されてしまう。現場に居合わせた"于吉"仙人の力で蘇ったプレイヤーキャラは、代償にかつて能力と記憶を無くしてしまっていた。本作の冒険では時をさかのぼり、能力と記憶を取り戻ながら孫呉の天下統一を目指すのだ。
オープニングイベントが終了すると、ナビゲーター的なNPC"南華仙人"と"仙女"によるチュートリアルで基本情報を学べる。本作はシミュレーションRPGなので、押さえておくべき情報が多い。ひとつひとつの情報をプレイしながら懇切丁寧に解説してくれるぞ。
チュートリアルが終了すると、呉の首都である"建業"に転送される。多くのプレイヤーが行き交う首都は、多彩な施設やサービスが整っている。各施設やサービス内容などは、ゲームの進行度に応じてヘルプ"兵法宝典"が表示され、項目によっては任務(クエスト)として登場する。チュートリアルで基本操作を身につけ、ヘルプとクエストで本編の要素を徐々に学べる仕組みだ。
ソロでもチームでも楽しめる多彩な任務
プレイヤーレベルに応じて追加されていく任務は、チュートリアル的な要素を含んだ内容や単発ミッションを遂行するタイプ、複数の章で構成されたストーリーものなど、多彩な依頼が用意されている。ストーリーものは、『三国ヒーローズ』のメインストーリー"三国伝"と、史実に登場する武将に起こった出来事を追体験する"討伐伝"があり、任務によっては史実に登場する武将を配下にできる。このほかにもプレイヤー同士で共闘する協力クエストや生産にまつわる依頼、一対一で戦う一騎打ちなど、多彩なバリエーションを用意している。特に協力クエストは、最大5人までチャレンジ可能。リアルタイムで進行する戦況に、メンバー同士の連携戦術が加わり、ソロプレイとは異なる攻略を楽しめる。協力クエストはメンバーが増えるほど経験値ボーナスが得られるほか、達成のタイミングを合わせると褒賞にボーナスが付くなど達成時のメリットも大きい。オンラインならでは要素なのでゼヒ挑戦してほしいぞ。
コレクション要素や生産活動など、お楽しみ要素満載
自分だけの軍団を編成する楽しさもシミュレーションRPGならではの醍醐味。本作には史実に登場する有名武将や、特殊な能力を持つオリジナル武将が多数登場する。序盤では、三国伝や武将列伝の特定クエストを達成することで所属国家に応じた武将を配下にすることが可能。このほかにも大規模対人戦やイベント特典、ミニゲームの商品など、ゲームの至るところにレア武将を得られるチャンスが用意されているのだ。また、クエスト中に敵ユニットとして登場する兵科を配下にする方法もある。戦況が有利になり、ユニットの説得に成功すれば自軍配下に引き入れることが可能なのだ。本作に登場するユニットには、"歩兵"や"騎兵"などの一般兵科のほか"蛮族"や"歌姫"、"兵法家"など、多彩な兵科が登場する。いろんなユニットをコレクションして自陣営を充実させる楽しみ方もあるのだ。 『三国志ヒーローズ』では、しっかり生産活動も可能。調達した素材を加工することで、いろんな装備品や消費アイテムを生産できる。レベル11以上で可能になるアイテム生産は"採掘"や"皮剥"、"伐採"などの採取系スキルで素材を調達し、"木工"や"精錬"などの加工スキルでアイテムを作成する。なお、加工スキルはひとつしか習得できないので注意しよう。作ったアイテムは露店や競売に出品することも可能。メインの冒険の合間に生産活動に没頭できるのだ。
バリエーション豊かな武将のタッチは好みの分かれるところ
本作の登場武将は、リアルイラスト、アニメイラストがあり、さらに実力派イラストレーターの手による"Ex武将"が登場する。色々なタッチの武将たちが登場するのが本作の特色のひとつだ。
筆者の個人的な感想として、武将イラストとプレイする際の思い入れについて考えさせられる場面があった。筆者は使用キャラの外観を選べる本作でリアルタッチを選択し、序盤に加わる配下武将もリアルタッチの陣容でストーリーを進めてきた。すると、イベントで登場する"孫堅"や"孫尚香"がアニメタッチで登場。プレイヤーキャラ以下、リアルタッチで固められている編成に、アニメタッチの孫尚香が配下武将に加わった。もちろんキャラ性能として申し分なく、有能なユニットとして活躍してくれるのだが違和感が残る。一方、キャンペーン特典で配下に加わったEx武将"さくら"は、あまり抵抗なく受け入れられた。Ex武将さくらは、リアルタッチとアニメタッチの中間的な印象のためだと思われる(Ex武将は、いろんなイラストレーターが手がける存在なので、リアル寄りやアニメ寄りなど様々)。この辺は主観の問題なのでプレイヤーの好みだと思うけれど、プレイヤーによってはキャラのタッチ次第で感情移入の度合いが変わってくる。本作の特色である、この仕様を踏まえて楽しめるかどうかが、ちょっとしたハードルになるのかもしれない。
今回のレポートで見られた『三国ヒーローズ』の世界は、ほんの序盤。シミュレーションならではの奥深い戦略やコレクション要素など、押さえるべき所はしっかり押さえ、周辺のお楽しみ要素も充実しているタイトル、という印象でした。もっとレベルが上がると、隣接都市に攻め込んで、所属国家の領地を拡大させていく"国戦"への参戦や高レベル向けエリアである戦国時代の日本にも行けるようになります。歴史ファンはもちろん、オンラインゲーム初心者から上級者まで、幅広いユーザーさんに参戦してもらいたいタイトルですよん。
ライター経歴
小松ヌンチャク
1976 年長野県生まれ。アスキー、エンターブレインより刊行されていたパソコン誌『テックウィン』編集部に在籍した後、フリーランスとなる。現在プレイしている MMORPGは『大航海時代 Online』と『World of Warcraft』。どちらもサービス開始初期から遊んでるのに、まったくキャラが育たないのはどういうことか悩み中。
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